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外構事例
アンティークテイストの参考に! 愛犬と一緒に入れるおしゃれなカフェの外構&内装デザインアイデアを拝見
レトロな外観デザインが目を引くカフェ 焦げ茶色をベースにしたレトロな雰囲気のファサード(建物正面)。 これまでいろいろなエクステリア現場を取材してきましたが、カフェ「GAKU NO TOBOE」は極めて珍しい外観デザインです。建物全体の大部分を占めるベースカラー(基調色)はこげ茶色で、アクセントカラー(強調色)としてベージュの石壁を中央付近に配置。全体がこげ茶色の中に、明るい石壁のコントラストが効いています。この石壁、目地がないことを不思議に思って施工担当者である「ヘブンズガーデン」の宮元健太さんに尋ねてみると、「じつは、90×240cmの1枚の紙のように薄い石材を張り付けているので、目地が入っていません」とのこと。石の質感があり、ベージュの中にもいろいろな色が微妙に混ざり合っているので単調になりません。 鎧戸のような壁や窓の桟など、デザインを構成する要素がじつにレトロ。 石壁の左右両側にある鎧戸のような壁、さらにその隣の白目地の黒いタイルが印象的な腰壁に、ガラスのようなポリカーボネート素材の窓にかかる桟のレイアウトなど、全体的にどこか懐かしいレトロ感満載なデザイン。 ポリカーボネートは、ガラスの約200倍以上、アクリル樹脂の約50倍以上もの割れにくい「耐衝撃性」、マイナス40℃~120℃という幅広い温度範囲で使用可能な「耐熱性」、燃えにくい「自己消火性」、紫外線に強い「耐候性」を備えたエンジニアリングプラスチックです。ガラスのように透明性のあるもののほか、半透明の素材もあり、カーポートの屋根などにもよく使われます。 水平に渡した黒いフラットバー(平鋼)がポイント。 また、縦板張りの部分には黒いスチールのフラットバーを設置し、レトロ感を強調しています。 花壇やステンドグラスでアクセントをプラス 黒タイルの花壇(写真左側)。 店舗の横はご自宅のエントランス前になっていて、ここには黒タイル×白目地の花壇が設えられています。花壇は、店舗正面の黒タイルで仕上げた腰壁と同様な仕上げで、統一感をアップ。花壇の背景となる壁面は、こちらも店舗正面と合わせた縦板張りで、上部にはステンドグラスも取り付けられています。全体の構成として、日本住宅のように、濃いこげ茶色の梁や柱をデザインの中心に据えていることがイメージを引き締め、まとまりを生むポイント。この構成も、レトロ感を演出している源のようですね。 柱の下部には何やら小さな丸が…。 施工会社名の入ったエンブレムを発見。 花壇の背景にあるこげ茶色の柱の足元を見ると、丸い何かが貼ってありました。近づいてよく見ると、施工会社のエンブレム! 施工会社名を表示するのは設計施工に責任を持つという意味もありますが、この社名エンブレムはそれだけではない素敵さ。こうしたエンブレム1つとっても、会社としてのセンスのよさを示す大切な要素です。 落ち着けるテラス席は愛犬と一緒に まるで室内のようなテラス席のスペース。 出入り口の扉のすぐ前がテラス席。 続いて、店内のデザインを拝見。入り口の扉を開けると目の前にあるのは、ドッグエリアでもあるテラス席です。壁があり、座席によっては仕切りもあるので、テラスでありながらも室内のように落ち着いた雰囲気。愛犬も一緒に入れるので、お散歩途中に寄るには最高のスペースですね。天井部分は屋根ではなくシェードを設置しているため、柔らかい光が入ってきます。外観同様に、縦板張りや鎧戸風のデザインがされた壁は、ポイントとなる柱で切り替えられています。 内側から見るステンドグラスは、光を透かしてひときわ鮮やか。 レトロなブラケットライト。 この場所にしっくり馴染む額縁の絵も素敵。 この空間を彩るのは、赤、紫、青色に輝くステンドグラスや、レトロデザインの壁に取り付けるブラケットライトなど。額装された素敵な絵も飾られています。どこを見てもとってもおしゃれで、つい長居したくなりますね。 仕切りがあるので愛犬も安心してくつろげるデザイン。 店内はアンティークな素敵デザインが目白押し! 店内の窓や船の置物など、どこを切り取っても素敵な装飾の数々。 テラス席の奥は室内エリア。明るいベージュベースの壁紙にこげ茶色の腰壁の組み合わせがシックで、天井に目を向ければこげ茶色の化粧梁や垂木が印象的な、落ち着いたデザインです。窓にはめ込まれた繊細なステンドグラスが美しく、立派な船の置物と相まって、瀟洒な雰囲気を作り上げています。 入り口付近に灯るアンティークなシャンデリア。 店内の全てのインテリアは、色とデザインの方向性が統一され、選び抜かれた空間演出がされています。 オーナーのご厚意で、特別に厨房出入り口を見せていただきました。厨房はまるで外国のお店みたいですね! 小さな扉を開けると… なんと照明のスイッチが! ここで、壁の一部にこげ茶色の小さな扉を発見。取っ手がついているので開けてみると、なんと照明のスイッチがありました。このケースはオーナーのDIYとのことですが、スイッチを隠すことで空間の完成度がより高まりますね。また、テイクアウトメニュー板も、ワインのコルクを並べたベースにメニュー板をつけたオリジナルなデザイン。小物一つひとつにオーナーのこだわりを感じました。 テイクアウトメニュー板もとってもオシャレ。 まとめ ペット同伴可の飲食店は以前に比べれば増えましたが、それでもペット家族数から比較するとまだまだ少ないのが現状です。 今回ご紹介したカフェ「GAKU NO TOBOE」は、そんな貴重な飲食店。店内は明るいベージュをベースに、こげ茶色をアソートカラー(配合色)として腰壁や化粧梁、垂木に採用し、ブラケットライトやステンドグラス、素敵な絵を飾って、一貫してアンティークなインテリアの雰囲気を作り上げています。 そして外観であるファサード全体とインテリアのようなテラス席には、店内のイメージをそのまま反映し、統一感のあるデザインに。壁面の仕上げは縦板張り、鎧戸風、白目地の黒タイルなど、いくつかのパターンが使われていますが、カラーの明るさを統一しておくことでまとまりのあるデザインになります。アンティークなデザインに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください 「GAKU NO TOBOE」は、アルゼンチンの国民的な料理「エンパナーダ」が美味しいお店です。「エンパナーダ」はスペイン・ポルトガル発祥で、中南米や北米などで広く食べられる料理。アルゼンチンでは主食として親しまれています。小麦粉の生地に鶏肉や牛肉、野菜などを包み、焼いたり揚げたりしたもので、大きめの餃子のようなイメージです。アルゼンチン料理を食べたい方は、住宅街の一角にあるお店に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか? ※営業日と時間はHPで要確認。GAKU NO TOBOE -がくの遠吠え-gaku-no-toboe 設計施工:ヘブンズガーデン 宮元健太
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外構事例
【庭実例】和と洋、2つの庭が共演する住まい──眺めて癒やし、出て楽しむ贅沢空間
緑の舞台が広がる、小さな庭の大きな奥行き 玄関を中央に、左右に和の庭と洋の庭があるM邸。和の庭は、奥の塀に向かって高くなる法面にしているため、実際は6畳程度ですが、よりゆったりと広く感じられます。この法面はカモシゴケやスナゴケなどの複数のコケ類で青々と覆われ、足元から立ち上がる木々や景石を引き立てる柔らかな舞台となっています。 樹木は3種。左奥に株立ちのアオダモ、その手前にコハウチワカエデ‘関の華厳’、右に枝垂れモミジ。これらを不等辺三角形に配置し、なおかつ樹高に差をつけることで、限られた空間の中にも奥行きと動きが生まれ、目に心地よい自然な景観が広がります。 コハウチワカエデ‘関の華厳’。葉の形に特徴がある園芸品種で、従来のコハウチワカエデよりも雄大な樹形をしている。 高木、中木、低木を不等辺三角形に配植する方法は、庭園で用いられる伝統的な「真・対・添え」の構成で、視線を奥へと誘導し、庭全体に奥行きと豊かな表情を与えてくれます。この美しい形を維持するために、植栽の定期的な剪定は欠かせません。 庭にアートを宿す六方石と、新潟の名石・八海石 和庭の骨格を形づくるもう1つの要素が石。ここでは上部を磨き上げた六方石が、自然が彫り出した彫刻のような存在感を放ち、庭の個性を決定づけています。六方石とは、溶岩が冷えて収縮する際に形成される、五角形や六角形の割れ目を持つ柱状の火山岩で、硬質で規則的な形状が特徴です。その美しい造形は庭園において、門柱や景石、縁石、飛び石など幅広く活用されてきました。 鏡面に葉影を映す六方石。夜間はここに光が反射するようにライティングもセットされている。 モミジや苔の柔らかな表情の中で、直線的なフォルムが際立つ六方石。その磨かれた石面には季節ごとの枝葉が映り込み、庭に格調と四季の趣を添え、アートのような景観をつくり出しています。 また、この庭では八海石も用いられています。八海石とは新潟県魚沼市を流れる魚野川の下流で採れる硬質な自然石で、青みや緑みを帯びた濃い黒色が特徴です。苔や植栽の鮮やかな緑と対比して、庭に深い落ち着きと重厚感を生み出します。地元ならではの石を取り入れることで、庭は土地の風土とより強く結びつき、新潟らしい景観を体現しています。 延べ段から水栓まで、石が支える機能美 玄関アプローチから見た和の庭。 そして、アプローチにはサビ御影石と和良石のゴロタを組み合わせた延べ段を設け、自然石のボーダーが足元から庭全体を柔らかく引き締めています。 さらに機能面にも石を生かした工夫があります。例えば、集水桝はピンコロ石で囲ったコの字形の中に景石を重ねて隠し、点検口であることを感じさせません。 景石の下には集水枡のフタ。 また、庭の角には住宅の石張り調の立水栓と水鉢を設え、実用性を損なうことなく庭の雰囲気に自然に溶け込ませています。生活に必要な設備さえも「石の造形」として表現されている点に、この和庭の完成度の高さが感じられます。 延べ段の色に合わせたサビ色の立水栓。 塀で庭は見違える。煤竹風の演出 庭の背景を形づくるもう1つの大切な要素が、塀の壁面です。一見すると、この庭は竹の遮蔽垣に囲まれているように見えますが、じつは煤竹風の板張り。既存のブロック塀を活かし、庭の背景となる内側にのみ表面に煤竹風の板(エバーアートボード建仁寺すす竹・タカショー)を張り付けています。 既存ブロック塀を生かして内側のみ板張りを施工。 もし背景がブロック塀のままであれば無機質で味気ない印象になってしまいますが、内側を煤竹風の板張りにすることで庭全体が和で統一され、緑が一段と映えます。仮にブロック塀を壊して本物の遮蔽垣を一から組むには高度な技術と時間、そして予算が必要になりますが、アートボードを用いることで工期やコストを抑えつつ、庭に十分な品格をもたらすことに成功しています。 アオダモの後ろにある電柱も、すだれを巻いて目立たないように工夫。 塀は庭にとって単なる境界ではなく、景観の背景を支える重要な要素。ここでも「実用と美観の両立」が巧みに図られているのです。 外に出て楽しむ、もうひとつの居間 次に「洋の庭」を見てみましょう。和の庭とほぼ同じ広さですが、和の庭が室内からの眺めを主眼にしているのに対し、洋の庭は外に出て楽しむ「アウトドアリビング」として設計されています。そのため床は歩きやすいピンコロ石の敷き詰めとし、腰掛けにもなる石積みオブジェを備えるなど、外で過ごす時間を心地よくする工夫が施されています。 扇形の床と石積みが演出するモダン空間 黒のピンコロ石は扇形に敷き詰めることで、広がりを演出しつつ、リズム感とモダンな雰囲気も生み出しています。高さを抑えた2組の石の小端積みは、オブジェのように庭のアクセントとなりながら、ベンチとしても使える実用性を兼ね備えています。 ピンコロの曲線に沿って配したモミジやコケと、直線的な石積みとの対比が美しく、和と洋が響き合う折衷的な空間になっています。 住宅窓際の足元は、沓脱石のみでなく、黒いピンコロの際をゴロタや植栽で自然風にデザイン。 ダークカラーの背景が引き立てる緑と高級感 「洋の庭」でも背景は既存ブロックを生かしながら、板張りを用いることでビジュアルの質を高めています。この庭は思い切ってマットなダークブラウンの塀に。濃い背景色が植栽や苔の緑を一層引き立て、庭全体に高級感とモダンな印象をもたらしています。単なる囲いを超えて、庭の舞台装置として大きな役割を果たしています(塀仕上げ:エバーアートボード ラスティコッパー:タカショー)。 緑の額縁に収まる星空 「洋の庭」は奥様の希望で「星を眺められる庭」として設計されました。庭の四隅に植栽を配置して、緑の額縁の中に夜空を切り取る工夫がされています。昼は青空が、夜は星々がその額縁の中に収まり、まるで1枚の風景画のよう。足元照明も配され、安心感とともに非日常のひとときを楽しめる空間です。 2つの庭が奏でる、異なる魅力 M邸の庭は、玄関を中心に左右でまったく異なる世界が広がります。室内からの眺めを主とした和の庭は、苔むした法面と石の存在感が生み出す静謐な空間。一方、戸外で過ごすことを目的にした洋の庭は、モダンな石敷きとベンチ、そして星空を楽しむ仕掛けが、アウトドアリビングとしての開放感を与えてくれます。 2つの庭は、用途も表情も異なりながら、共通して「石・緑・背景」の調和によって完成度を高めています。和と洋の異なる魅力がひとつの住宅に同居するMは、庭づくりの可能性を広げ、日常に豊かな変化をもたらす好例といえるでしょう。 設計施工:帝樹園 庭正 長橋正宇
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外構事例
【DIYガーデン実例】アウトドア派必見! 東京都内のこだわりDIYガーデンをご案内
機能満載のDIYテーブルでアウトドアライフが楽しめる空間に 今回ご紹介する中庭は、間口2間(約360cm)、奥行き2間ほどの正方形。三方を壁に囲まれたアルコーブ(壁面の一部をくぼませた空間)状の中庭は、残る1辺が隣家に面しているため、DIYで作った横板張りのデザインウォールを取り付けて目隠しにすることで、敷地外の背景や視線が気にならない、落ち着いて安らげる空間を作っています。 移動も簡単なキャスター付きDIYテーブル。 テーブルの天板をたたむと収納スペースが。 ガーデンでパッと目を引くのは、ストライプの天板が印象的なテーブルです。木肌色とこげ茶色に仕上げられたこちらは、キャリーワゴンに設置したDIYテーブル。天板を折りたたむと、内部にはアウトドアグッズが収納されており機能満載。キャスター付きなので移動も簡単! ダストボックスの蓋は100円ショップの「すのこ板」で制作。 幅広の板と細い板を交互に並べたおしゃれなデザイン。 テーブルには、あると何かと便利なダストボックスも備え付けられています。このダストボックスもDIYで一工夫。横板張りの蓋を取り付けて、テーブルと調和させつつ、すっきりとした見た目に仕上げています。ご夫婦をモデルにウサギとクマをデザインしたキャラクターシールがアクセント。 奥様デザインの夫婦キャラクターシール。 LEDテープをジョイントラックのフレームに巻いて、夕食などのグランピングも楽しめそう。 このキャリーワゴン内蔵のテーブルは、DIYのジョイントラックが取り付け可能。ラックにはスプーンやカップなどをかけられるようになっています。LEDテープを巻き付ければ、手軽にライトアップできて庭キャンも楽しめそう!! 飲み物用としてはもちろん、火にかけて料理も作れる多機能なシェラカップ。 通常、食事や飲み物にはお皿やコップ、鍋などいくつかの食器や調理器具が必要ですが、そんなちょっとした手間を解決してくれるのが、このシェラカップ(持ち手付きの金属製カップ)。料理や飲み物を入れて、お皿としてもコップとしても使え、さらに直接火にかけられるので調理器具としても役立つ万能ギア。波形の持ち手に合わせ、人差し指と薬指は前で、中指は手前にして持つと、量が多くてもしっかり握れて安定感抜群です。アウトドアライフを充実させてくれる必携アイテムですが、自宅で使ってもキャンプ気分を味わえること間違いなし! DIYのデザインフェンスで隣家との目隠しを 隣家側はラティスフェンスに。フェンスの一部には、隣家の給湯器からの熱を防ぐ断熱材が仕込まれている。 花鉢を置くための飾り棚。花に似合う愛らしい雰囲気の一角。 隣家との目隠しには、DIYでよく使われる1×4材(断面のサイズが19×89mmの木材)を使って手作りした目隠しフェンスを設置。DIYならではの雰囲気がある横板張りのフェンスは、花鉢を飾る棚を設け、より暮らしの中で使いやすくデザインしています。この棚は造作が難しい波形の板を使ったこだわりのデザイン。奥様のお気に入りの可愛らしいコーナーです。 文字にはアイアンペイントを施し、レトロ感を表現。 飾り棚の上に躍る「WEL★COME」の文字は、塗るだけで金属のような質感が出せるアイアンペイントで着彩。スポンジで叩いて塗ることで、経年変化のような程よい色ムラを演出しています。細部までこだわりがスゴイ!! くつろぎやすいガーデンファニチャー。 ガーデンには、身体を預けてくつろげるガーデンチェアと、足を乗せたり小テーブルとしても使えるオットマンも設えられています。こちらはDIYではありませんが、よく吟味されたイスは、座ってみるとなんとも心地よく、オットマンに足を乗せれば、さらにリラックスできる快適空間に。このオットマンは、本来は小さなイスですが、上面がしっかりしているので、ローテーブルのように小物やカップを置くのにも便利です。 アウトドア&DIYスペースとなる薪置き場 薪置き場の上にもテーブルを設置。 中庭の一角にはテーブルを取り付けた薪置き場が。テーブルには照明と、湯沸かし器がセットされたバイオストーブが置いてあります。このバイオストーブは、手元を照らせるライト付きで、燃料は小枝でもOK、なおかつ発電もできる優れモノ! キャンプにも非常時の備えにも使えると入手したそうです。薪置き場のテーブルは、普段はDIYの作業台。テーブルの後ろには、DIYで使うスタイロフォームが目に付かないように収納されていました。 手動折り畳みのシェードもDIYで 手動で開け閉めができるシェード。 ガーデンの上には、日差しやちょっとした風雨を遮るシェードが取り付けられています。なんと、このシェードもDIY作品の1つ。DIYで作られた手動シェードは初めて見ましたが、鉄パイプの表面を合成樹脂でコーティングしたイレクターパイプを使った2段のフレームで構成されており、強度抜群で、シェードの波形によって雨水が溜まることなく流せる工夫がされています。じつは、この庭の施主様は建築設計事務所の所長さんなのですが、知識と技術を活かしたつくりは、さすが! 樹木マークの飾り付き。 シェードシートの角には樹木の飾りがついていました。ワンポイントのデコレーションが可愛らしいですね。 ペットのためのDIY「ニャ~のトイレハウス」 足跡マークが可愛い愛猫のトイレハウス。 扉を開けるとトイレが。普段は見せない収納。 施主様のご厚意で、住宅のインテリアも見せていただくことに。お部屋の中にもアイデアとデザインが光るDIY作品が目白押しです。リビングに設置されていた愛猫のトイレハウスは、一見キャビネットのように見えますが、こちらもDIYで作ったもの。奥の扉を開けるとトイレが据え付けられていて、写真左側の出入り口からトイレに向かうまでの通路は猫砂落としになっていました。デザインの可愛いアクセントである足跡マークは穴抜きされていて、ハウスの中から室内を眺められるようになっています。 愛猫のレオナとミーナ。 DIYデコレーションでトイレも素敵な空間に 猫たちが遊ぶステッカーが可愛い。 よく見ると、カーテンレールにも猫モチーフの飾りが。 トイレの収納棚は、下部はレースのカーテンを掛けたトイレットペーパー置き場、上部はプリザーブドフラワーとランプシェードの飾り棚になっていて、壁には猫のシルエットのステッカーが貼られています。トイレットペーパー置き場は、たっぷり24ロールが収納でき、非常時用のストックスペースも兼ねています。カーテンにも猫の飾りがついています。 100円ショップの額縁2枚で作ったコンセントケース。なんと取っ手も100円ショップのレジンで作った肉球モチーフです。 ここで驚いたのは、飾られた小さな額縁。じつは、この額縁は100円ショップで販売されている商品を使って手作りしたコンセントケースなのです! 額縁の絵にも、黒猫や白猫たちが登場。隅々まで猫愛にあふれた“ニャー三昧”の素敵な空間ですね。 落ち着きとやすらぎの夜景の庭 日が落ち始めると、中庭もナイトシーンの装いに。シェードとフェンスに取り付けられた、少しレトロな雰囲気の照明に照らされて、リラックスタイムにぴったりの程よい明るさです。横板張りの目隠しフェンスに、植栽と鉢物のグリーンが、ナチュラルに馴染みます。 三方を壁に、そして隣家の玄関からの視線を遮る目隠しフェンスによって四方が囲まれた中庭は、落ち着きと安らぎが生まれます。さらに、できるだけガーデンテーブルに収納できる部分を作るなどの工夫をすることで、ごたごたしないすっきりしたデザインのガーデンになりました。 車もDIYリフォームでアウトドア仕様に! ブラウンのルノー カングーをDIYでリフォーム。 中庭ガーデンに登場するアウトドアグッズを見ても分かるとおり、施主様はアウトドア派。よくキャンプに出掛けるだけでなく、車の内部もDIYでライフスタイルに合わせたアウトドア仕様にリフォームしています。 上部は愛猫のゲージ、下部は収納スペースに。 キャンプギア用モールシステム。 バックボードにも猫デザインのシートが。 車内にはお出かけペットゲージスペースが設けられています。この車のリアゲートは両開きドアで、ここにキャンプギアを格納するためのモールシステムと、猫デザインの可愛らしいシート張りバックボードをDIYで取り付けました。モールシステムとは、等間隔で縫いつけられた丈夫なベルトにギアを取り付けるシステムのことで、さまざまな形のアイテムを自由に収納することができます。 収納スペースに隠された引き出し式のテーブルとカップホルダー。補強支柱が付いているので、重量物もOK! テーブルは流し台としても活用可能。 リアスペースの下部には、引き出し式のテーブルと物入れが作られています。このスペースは、キャンプなどの際には水栓・シンク・排水用タンクのユニットが設置できるキッチン流し台セットにも変身。じつはこのユニットも、100円ショップアイテムで手作り。収納ボックスを2段重ね、下段が排水槽となる仕組みです。 自分のスタイルにぴったり合わせられるDIYリフォームならではの、アウトドアアクティビティーに使いやすいシステムですね。 折り畳みテーブルの下にはキッチン道具収納ボックスを格納。後部座席には芝畳マットを敷いてくつろぎ空間に。 センターコンソールにセットしたDIYドリンクホルダーは取り出しても使用可能。使用時以外は蓋もできる。 後部座席には折り畳みテーブル、運転席脇にはガムやドリンク置き場となるホルダーがあるのですが、これもDIY作品。後部座席と助手席部分にはスタイロフォームを人工芝で覆った畳が敷かれ、身体を伸ばして休めるベッド代わりになります。なんと、折り畳みテーブルもベッドに変身するそうです! DIYで作ったギミック満載のこの車は、ご夫婦2人と猫たちの車中泊や避難用にと作り上げたそう。実際に、外気温がマイナス1℃の環境での車中泊も体験済みだといいます。 人工芝仕上げの畳をベッドに。畳は友人の畳屋さんの製品。 こだわりを詰め込んだDIYで、見ているだけでもワクワクする素敵なガーデンや車が出来上がります。「狭いところにも、こんな収納ができてしまうとは!」という驚きがいっぱいのDIYアイデアの数々。キャンプ道具の収納に困っている方、DIY好きの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね! DIYデザイン&造作:小川秀二(株式会社エニシ建築設計事務所・東京都杉並区阿佐谷南)
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外構事例
【外構デザイン実例】「ブラック×天然木」で魅せる庭づくり! 棚付きウォールの個性派ガーデンを拝見
住宅の顔・ファサードでひときわ目立つ波型鉄板の塀 住宅の前に立つと、まず目に飛び込んでくるのが、縦のラインが際立つ真っ黒な波型鉄板の塀です。基礎がグレー、塀はブラックの波型鉄板の素材を使った塀はインパクト抜群! 波型鉄板は、昭和の前半から半ば頃によく使われ、一般的には住宅よりも小屋や倉庫などに利用された建築資材です。そんな波型鉄板をあえてチョイスし、ブラックカラーにすることで、レトロ感を演出しつつもシックにまとめています。 ブラックの波型鉄板は、レトロなイメージを生かしつつモダンなデザインにもよく似合います。 レトロ感のある表札・ライト・ポストのカラーもブラックに揃えて。表札の「ブラック×木」のデザインは、庭全体に共通のコンセプト。 表札を照らす照明やインターホン付きの表札もレトロ感たっぷり。こうした小物も素材までこだわってコンセプトに合わせるのが、センスアップのポイントです。照明の傘やポストはブラック、表札はブラックに木質の額縁と、「ブラック×木」のカラーコーディネートは、これからご紹介するガーデンにも度々登場する、庭全体に共通するコンセプト。これで全体のまとまりが生まれますね。 自然木の天井がオシャレなアルコーブ ナチュラルな木の質感が落ち着くアルコーブ。 玄関前、右手にある扉が、塀に囲まれた庭へと続いています。その扉を開くと、見事な木質の庇天井が印象的なアルコーブスペースがありました。アルコーブとは、壁面の一部をくぼませた空間のこと。この住宅では、波型鉄板の塀と住宅壁面の間にアルコーブスペースが設けられています。 天井の格子により採光もバッチリ。日差しの強さも調節可能。 ここのアルコーブの庇天井は、全面を覆うのではなく、部屋の前は光が入る横格子状にしてあるのがユニーク。格子から差し込む光により、アルコーブ周辺のスペースが明るくなるように工夫されています。格子の“せい”(高さ)の具合で日差しの強弱を調整することもでき、低ければ日差しは強く、髙ければ日差しは弱くなります。裸電球を天井の端に取り付けてあるので、楽しい夜の演出もできますね。 ガーデンは「ブラック×天然木」の構造物が見どころ! 真っ先に目を引くのは、庭中央を横切る大きな構造物。 いよいよ、ブラック波型鉄板の塀で囲まれた中の庭を拝見! 3mもの高さの塀の内側は、柱と横板によってスタイリッシュかつ実用的な棚に。そして庭中央は、天然木の支柱に支えられた、中空に浮かぶフェンスのような横板貼りの構造物が横切ります。この“空中フェンス”は、ガーデンデザインの主役となるだけでなく、隣家の2階からの視線カットという機能的な役割もあります。 ユニーク&スタイリッシュな植物をディスプレイ 多肉植物など、ドライガーデンを好む植物が並ぶ棚。 塀の内側に設けられた棚は、お気に入りの植物のディスプレイスペース。横板の桟を同じ高さの位置に揃えて棚を設け、余裕を持って植物鉢を並べることで、モダンで整った印象を与える、植物を組み込んだ素敵なデザインです。 シャープな細長い葉、多肉質の丸い葉など、さまざまな形状の植物が並びます。植物に合わせた鉢選びも楽しみの一つ。 棚に並ぶ鉢は、多肉植物などドライガーデン向きの植物がほとんど。水やりなどのメンテナンスが簡単で扱いやすく、何よりフォルムの面白さが魅力。細長い葉や球形のようなものなど、カッコよくユニークな形に魅了されたコアなファンも多く、人気も高まっています。こうしたサボテンやアガベ、多肉植物、セダム類(メキシコマンネングサ他)などは、乾燥に強く自然の雨水のみで育つので、メンテナンスがラクです。皆さんも、ホームセンターやガーデンセンターに出向き、育てやすい植物を研究してみるのも楽しいですよ。鉢のデザインもさまざまあり、植物に合わせてコーディネートするのも楽しいひとときです。 足下に広がる青々とした芝生も、じつはメンテナンス不要の人工芝。 タイルテラスのガーデンファニチャーもシンプルデザインに ブラックの脚に、木質の天板やひじ掛けを持つガーデンファニチャーで統一感を。 住宅横にはタイルテラスがあり、くつろぎの時間を過ごせるスペースに。テラスに置かれたガーデンファニチャーは、ガーデンのほかの部分と同様に「ブラック×木」のコンビネーションで統一しています。スタイリッシュなブラックの素材に、温かみのある木製の天板やひじ掛けを持つテーブルや椅子を選ぶことで、庭全体のトータルコーディネートを感じます。 テラスに敷かれたベージュ色の60cm角タイルは、絶妙な色ムラのある色調が、ザラザラとした質感の素材と好相性。庭や住宅など全体ともよく調和します。ザラツキのある床なら、雨降りや掃除の水でタイルが濡れても滑りにくいので、いつでも安心して利用できます。愛嬌たっぷりで可愛いペットのトイプードルも、このスペースがお気に入りの様子。 ここがポイント! シックなデザインのテクニック モノトーンで構成されたデザインには、自然素材が意外とフィット。組み合わせると、落ちついたイメージでまとまります。 今回ご紹介した住宅事例では、ブラックをベースに、支柱や桟、棚、梁などを木の素材にしています。そして、ブラックの塀はフラットな面でなく、波型にしているところが重要なポイント。フラットな壁面は単調な仕上がりになりやすく、波型にすることで変化を生んでいます。また、今回のケースとは対照的に、塀をコンクリート色やホワイトにすれば、明るいすっきりしたイメージになりますよ。 このように、カラーコーディネートはお好み次第。素材の質感でもイメージがガラリと変わります。 ご自宅で趣味を生かした庭づくりを研究して楽しんでみてはいかがでしょうか? 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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2025/11/11 大阪府 トレジャーライフ 
2025/11/10 愛知県 株式会社neutral
2025/10/30 長野県 株式会社フリージアデザイン
2025/10/22 東京都 株式会社テクノアップ・ライズ
2025/10/21 神奈川県 ガーデンコンシェルジュ株式会社




















