1. くらし環境におけるこれからの考え方
地域原産の植物をガーデンショーで紹介する
(ニュージーランド オークランド市)
大震災、天候不順による災害が相次ぐ中、私たちのくらしの環境は大きな変化の時を迎えている気がします。さらに、それにともなう省エネ、食の安全といった身近な問題は都市部を中心に生活スタイルにまで影響を及ぼしてきています。具体的には、ゴーヤなどを活用した「緑のカーテン」の普及や「家庭菜園」「ハイキング」のブームがあげられます。テレビや新聞等のマスメディアでは環境に関するテーマが頻繁に取り上げられています。共通のキーワードとなる植栽は、我々の業界にとって大きな期待が求められています。日本庭園を創造してきた先人の技術と屋上緑化をはじめとする経験と工夫の蓄積を整理し、原点に戻り植栽のあり方を検討する必要があります。
まず、日本の自然環境をそれぞれのエリアにおいて把握することから始めます。日本庭園は、自然景観の集約です。光、水、土、植物を四季を通じてよく観察することから生まれてきました。日本は北海道から沖縄に至るまで多様性に富み、さまざま気候環境にあります。したがって固有の植生も多くみられます。また、生活様式を歴史的にみても自然を人工に変えることよりも、多様性の自然を活かしながら進化発展をとげてきたといわれます。とくにその中で植物の役割は最も多いといっても過言ではないでしょう。
環境に合わない植物を演出するには、自然の摂理に反することになり何らかのリスクをともなうことにもなります。身近な植物をどのように活用するかによって、これからのくらし環境をうまく創造していくことにつながります。
藤岡 成介(ふじおか せいすけ)
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。