4. コンテナ植栽について
欧米のデザイン、カラーリングの鉢が
日本にも普及してきています
(和歌山県 ガーデナーズジャパン)
コンテナ・鉢のバリエーション
コンテナや鉢の素材とデザイン性が高まってきています。素材とすれば大きく、(1)テラコッタ(素焼鉢)、(2)陶器鉢、(3)FRP/FRC鉢、(4)プラスチック鉢に分けられます。それぞれの素材は、目的や状況によって選択しますが、植栽してからの管理性が大きく異なってきます。植物の育成のみを考えると、圧倒的に通気性、通水性に優れ、外気温の影響も受けにくいテラコッタが有利といえます。その反面早く乾燥し、重量があるため、取り扱い面でリスクがともないます。最近、輸入のプラスチックコンテナも増え、バリエーションが一気に高まってきています。室内の観葉植物は、インテリアデザインの一部としての役割もあるので大変うれしいことといえます。
今後の方向性とすれば、デザイン性や耐久性の高い商品が流通してくることと思われます。植物にとって土壌と共に基盤ベースとなるものなので、展示会などで要チェックの材料といえます。
下記に、一般的な比較評価を簡単に示していますが、項目を参考に商品レベルで各自比較していきましょう。また、ガーデン施工や装飾で使用する場合は、作業性や運搬費リスクなどの問題があります。軽量のものは比較的好まれやすいですが、高さ150cm以上の樹木になると転倒の防止策が必要となります。
バリエーション | 耐久性 | 破 損 | 重 量 | 価 格 | 今後の普及性 | |
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テラコッタ(素焼鉢) | やや多い | 寒冷地での劣化あり | 欠けやすい | 重い | 安い 例外あり | 横ばい |
陶器鉢 | 少ない | やや高い | 割れやすい | やや重い | やや高い | 横ばい |
FRP鉢 | 少ない | 高い | 強い | 軽い | 高い | 高い |
プラスチック鉢 | 非常に多い | 低い | 強い | 大変軽い | 安い | 高い |
コンテナ・鉢植えに使用する土壌について
観葉植物は、熱帯、亜熱帯原産のものが多いため、温帯の植物ほど土壌に気をつける必要はないといえます。とはいっても、何でもよいというわけではありません。通常の良質粘土質、有機物がバランスよく配合された混合培養土を使えばたいてい健全育成をしますが、最近の傾向としては、鉢底から灌水時に泥水が流れてきたり有機物の腐食する臭いなどを避けたいという声も少なくありません。パーライトの細粒を使った、屋上緑化で使われる基盤を活用する方法もありますが、水耕栽培としてハイドロカルチャーという方法もあります。鉢は水をためないといけないので底穴のあいていない鉢を選択します。また、セラミスやゼオライト系の珪酸白土を使っている場合もあります。完璧に健全育成するというわけではありませんが、清潔さを第一優先される場合には今のところ最も有効な工法といえます。
珪酸塩白土は、多くのミネラルを持つコロイド粒子の集まった天然の礫(れき)で、イオン交換や水を浄化します。園芸、農業、畜産などいろいろな分野で活用が可能です。 | ハイドロボールは、レカトンという石を使います。粘土質の水成岩を1000℃以上の高温で焼成した「発泡煉石」。中の気泡が水分や空気を保ちます。 | セラミスグラニューは自重の100%以上の水を吸収・保水することができるのが特徴。原料の粘土はドイツのヴェスターヴァルト地方産出の粘土を焼成したものです。 |
ミニ観葉をはじめさまざまな大きさの鉢に 使用できるハイドロカルチャー 清潔でダイニングやリビングにも演出したい (和歌山県 ガーデナーズジャパン) |
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1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。