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Vol.10「イギリス、エコ・ホーム」太陽光発電を切り札にエコ・ホームで家庭の節約需要を取り込む

イギリス第2位のホームセンターホームベースは、トップ企業が海外出店に奔走する間、自国で5年にわたって総合的なエコ・リモデルを推進し、堅実な収益と環境企業としての底力を確保した。その好調な活動を支えたのが断熱、太陽光発電システムと質の高いガーデン・リモデルである。

明確なリターンの数値で、投資への不安を一掃

ホームベースの太陽光発電システムは、写真のように太陽光発電パネル、その光エネルギーを電力に変換するインバータ、エネルギー生成状況を追跡し家庭に自動送信するスマートメーターを各家庭に施工するもの。

ソーラー発電で創った電気で光熱費を大幅に抑えるばかりでなく、余った電気を電力会社に売ることで家計にやさしい生活を手に入れることができる。

無論、各家庭の電力消費は地域や生活形態で変化するが、ホームベースでは、「南に90度以内で対向し、日照時間が長く、16のパネル・スペースを確保した屋根での施工」の場合、標準的なソーラー・パワー・システムのコストは1万1150ポンド、電気代合計2426ポンド、電力会社(FIT)への光熱費シミュレーションを加味すると総利益1万1863ポンドが生み出されるとしている。

つまり、当初の一年間で700ポンドのエネルギーを創り出せればリフォームのコストは12年ほどで回収でき、年率7%以上のリターンの恩恵を受けられる。この具体的な数値による明朗な勧誘が、エコ・ホームに関心を持つ施主の背中を押した。

加えて、政府の補助金と免税制度の導入、専門アドバイザーによる施工に適しているかどうかの適正な初期評価、顧客にとって理想的なシステム設計、施工後の初年度に無料で提供されるパフォーマンス監視サービス、使ったエネルギーを一目で把握することができる節電モニター設置(無料)など、施工前から施工後に至る手厚いフォローアップ体制が同社のエコ・ホーム・リモデルを成功に導いた。

わが国でも東日本大震災を契機に電力問題への関心が高まっている。今こそスマートグリッドを含めた省エネとコスト削減を両立させるクリーンエネルギー・リフォームに乗り出す好機である。

自社の環境活動と一体化した
エコ・リモデル推進で信頼を醸成

ホームベースの環境意識は高く、ホームセンターでは初めて森林管理協議会が認定するFSC木材を取り扱った。現在のFSC木材の取扱比率は98%。環境への責任あるアプローチを反映して、現在でも徹底した園芸植物の鮮度管理や環境に配慮したランドスケープ・デザインの提案力は群を抜く。

2008年6月に誕生した、ガーデン・デザイナー、フィリッパ・ペアソン設計のクリエイト・ガーデンがその代表的なモデルである。特長は水やりの手間がいらないグラスや空きスペースを楽しめるカエデとボーダーの植栽、FSCの木材を使用したガゼボや子供の遊び場、リサイクル可能なルーフ・ガーデンを取り入れた、環境に優しく、しかも家族がリラックスできるガーデンである。

現在でも同社は庭のスペース、植物のカラースキーム、土壌、温度や湿度、日光等の植栽環境、予算に応じた多彩な植栽デザイン。(写真.2) を無料で提供。園芸愛好家のすそ野を開拓すると共に、有料デザイン・サービス(80ポンド)、施工につなげている。

一方(写真.3)は、ホームベースが近年力を入れている屋根と天井の間を絶縁するロフト断熱と、外壁の隙間スペース(空洞壁)の断熱リモデル事例である。同社ではソーラーパネル、ロフト&空洞壁、タンクとパイプの断熱を総合したエコ・ホーム・リモデルでエネルギー・コストの25%を削減できると宣言。自社の取り組みでもCO2排出量を4%削減、ガスや電気の使用量を12%カット、生産物の78%をリサイクル、キャリーバッグの2005年比で7200万枚削減、廃棄物80%削減など、環境企業としての具体的な成果を示すことでエコ・リモデル推進に弾みを付けている。

このようにエコ・ホームのリフォーム力を確保するためには、自社の環境への取り組みを公表し、顧客の信頼を高めると同時に顧客の節電努力を恒常的にサポートする仕組み作りをすることが不可欠である。

ホームベースの太陽光発電パネル・システムと施工風景
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ホームベースの太陽光発電パネル・システムと施工風景
1.5×1.5mのコーナーベッドの植栽提案。のこぎり草、あざみ、クレマチス、セダム(万年草)を配置
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1.5×1.5mのコーナーベッドの植栽提案。のこぎり草、あざみ、クレマチス、セダム(万年草)を配置
ロフト断熱と空洞壁断熱のリモデル・システム
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ロフト断熱と空洞壁断熱のリモデル・システム

ポイント

  1. 自社のエコ活動を周知徹底することがエコ・リモデル企業としての信頼を高めるポイント
  2. エコ・ホーム普及のハードルは価格。環境にもお財布にもやさしいポイントを明瞭に伝えることが太陽光発電リフォーム拡大の決め手になる
  3. エコ・リフォームは「節電」「節水」「断熱」「遮熱」など、屋根・外壁からガーデンに至る総合力提案で勝負する
  4. 省エネの推進には電力の利用状況をリアルタイムで「見える化」する工夫が必要。モニター設置をエコ・リフォームの突破口にすることができる
 
海外流通研究所 橋本 昌也氏
【著者プロフィール】
海外流通研究所 橋本 昌也
世界の流通、特にホームセンター、住宅産業、eコマースなどに精通するコンサルタント。
リフォーム産業新聞にて好評連載中。

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