ガーデンに役立つ情報が満載!ガーデン植物講座

キッチンガーデンの普及と活用

7. 人気の野菜リスト (1)

キッチンガーデンの人気野菜です。それぞれ品種によって生育特性が異なる場合がありますが、まず基本特性を覚えていきましょう。連作を避けたいものや地域ならではの品種もあります。多くの野菜を育てることができれば、年間を通じてキッチンガーデンを楽しめます。室内でもスプラウトなどは、窓辺で小さな器でも育てることができます。野菜づくりでは連作障害を避けるために、あらかじめ科名をチェックしておくのがポイントです。

トマト
Lycopersicon esculentum
トマト
ナス科 トマト属
中南米原産
英名 Tomato 蕃茄
人気No.1の果菜。品種も多く、ミニトマトの仲間は比較的育てやすく初心者におすすめ。代表的な夏野菜なので、春に暖かくなってから植え付けましょう。栽培期間が長いので、大玉トマトで約20個、ミニトマトなら120個は収穫できます。
ナス
Solanum melongena L.
ナス
ナス科 ナス属
インド東部原産
英名 Eggplant 茄子
多くの品種があり、トマトとともに人気の作物。9月彼岸ころに、地表から50cm更新剪定をすれば、秋ナスの収穫もできて収穫期間を長く楽しめます。夏の水やり、多肥性のため肥料切れに注意する。誘引と摘葉、芽かき管理を忘れずにすること。
ピーマン
Capsicum annuum
ピーマン
ナス科 トウガラシ属
熱帯アメリカ原産
英名 Sweet Pepper 唐辛子
比較的育てやすい野菜で、パプリカ、シシトウなど品種も非常に多い。鉢植えでも育てられるので、テラスでも楽しめます。苗の定植は、5月以降、暖かくなってから植えましょう。肥料やりと剪定をていねいにすると晩秋まで収穫ができます。
 
ジャガイモ
Solanum tuberosum L.
ジャガイモ
ナス科 トマト属
アンデス山系原産
英名 Potato 馬鈴薯
スペースがあれば是非育てたい野菜です。種イモの切り口には灰をまぶしておくと腐りにくいです。地表面から30cmの深さに埋め、3週間程度で芽が出てきたら元気のよい芽を2本残して残りは根元から抜き取りましょう。その際に土寄せもします。
キュウリ
Cucumis sativus L.
キュウリ
ウリ科 キュウリ属
インド北部原産
英名 Cucumber 胡瓜
春キュウリの方が育てやすいので、5月に苗を定植します。病気になりやすいので、丈夫な接ぎ木苗がおすすめです。肥料の与え過ぎには注意、雌雄異花で虫媒により受粉します。親づるの株元から5節目までのわき芽は、ピンチしましょう。
スイカ
Citrullus lanatus Matsum. et Nakai
スイカ
ウリ科 スイカ属
熱帯アフリカ原産
英名 Watermelon 西瓜
本葉5枚の節間の詰まった接ぎ木苗をくらつき床に定植し、ていねいに敷きわらマルチをします。親づるの5節目あたりで摘芯して子づるを3〜4本仕立にします。受粉したら1カ月半程度で収穫できます。実が大きくなってきたら玉直しをしてあげましょう。
 
ゴーヤ
Momordica charantia L.
ゴーヤ
ウリ科 ツルレイシ属
熱帯アジア原産
英名 Balsam pear 苦瓜
ネット支柱を定植のときに、設置しておきます。温度が上がれば、非常に旺盛になるのでネットに誘引します。病害虫にも強く、窓の外側に設置して日よけ(緑のカーテン)として活用できます。実は、乾燥させてお茶として楽しむこともできます。
カボチャ
Cucurbita maxima
カボチャ
ウリ科 カボチャ属
アンデス山系原産
英名 Pumpkin 西洋南瓜
東洋カボチャC. moschataは、熱帯アメリカ原産で現在大半は西洋カボチャになる。植えつけ床は、直径60cm、高さ20cmのくらつきを作る。西洋種は、摘芯をしなくても子づるが伸び、花をつける。人工授粉をすれば確実に実をつけることができる。
キャベツ
Brassica oleracea L.
キャベツ
アブラナ科 アブラナ属
ヨーロッパ原産
英名 Cabbage 甘藍
本葉が10枚程度になり、低温で花芽分化をしてとうが立つので、それまでに収穫をしましょう。結球し始めたら、水がれに注意しましょう。近くにレタスを植えるとコンパニオンプランツになる。わき芽を芽キャベツとしても楽しめます。
 
ブロッコリー
Brassica oleracea L.
ブロッコリー
アブラナ科 アブラナ属
地中海東部原産
英名 Broccoli
種まきはトレーにばらまきし、元気のよい幼苗を鉢上げして育てると失敗が少ない。非常に多肥性なので育苗期には、液肥も併用します。株が充実して気温が15℃以下になると花芽をつけます。花蕾は硬いうちに収穫しましょう。
ハクサイ
Brassica campestris L.
ハクサイ
アブラナ科 アブラナ属
中国原産
英名 Chinese cabbage 白菜
9月〜10月くらいから段階的に間引きをする。幼苗期間から害虫用のマルチをトンネル掛けする。外葉が傷むと結球しにくくなるので、注意しましょう。最終の間引きの際に土寄せをしておきます。最近、プランターでもできるミニ白菜も人気があります。
カブ
Brassica campestris L.
カブ
アブラナ科 アブラナ属
中央アジア原産
英名 Turnip 蕪
春と秋の2回楽しめます。プランターでも簡単に育てられるミニの小カブが人気です。種まきから1カ月半くらいで収穫ができるのも魅力です。本葉が2枚くらいから3回くらいに分けて、ていねいに間引きを行うのがポイントです。
 

藤岡 成介(ふじおか せいすけ)
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。
監修:藤岡 成介(ふじおか せいすけ)