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【外構デザイン実例】「ブラック×天然木」で魅せる庭づくり! 棚付きウォールの個性派ガーデンを拝見
住宅の顔・ファサードでひときわ目立つ波型鉄板の塀 住宅の前に立つと、まず目に飛び込んでくるのが、縦のラインが際立つ真っ黒な波型鉄板の塀です。基礎がグレー、塀はブラックの波型鉄板の素材を使った塀はインパクト抜群! 波型鉄板は、昭和の前半から半ば頃によく使われ、一般的には住宅よりも小屋や倉庫などに利用された建築資材です。そんな波型鉄板をあえてチョイスし、ブラックカラーにすることで、レトロ感を演出しつつもシックにまとめています。 ブラックの波型鉄板は、レトロなイメージを生かしつつモダンなデザインにもよく似合います。 レトロ感のある表札・ライト・ポストのカラーもブラックに揃えて。表札の「ブラック×木」のデザインは、庭全体に共通のコンセプト。 表札を照らす照明やインターホン付きの表札もレトロ感たっぷり。こうした小物も素材までこだわってコンセプトに合わせるのが、センスアップのポイントです。照明の傘やポストはブラック、表札はブラックに木質の額縁と、「ブラック×木」のカラーコーディネートは、これからご紹介するガーデンにも度々登場する、庭全体に共通するコンセプト。これで全体のまとまりが生まれますね。 自然木の天井がオシャレなアルコーブ ナチュラルな木の質感が落ち着くアルコーブ。 玄関前、右手にある扉が、塀に囲まれた庭へと続いています。その扉を開くと、見事な木質の庇天井が印象的なアルコーブスペースがありました。アルコーブとは、壁面の一部をくぼませた空間のこと。この住宅では、波型鉄板の塀と住宅壁面の間にアルコーブスペースが設けられています。 天井の格子により採光もバッチリ。日差しの強さも調節可能。 ここのアルコーブの庇天井は、全面を覆うのではなく、部屋の前は光が入る横格子状にしてあるのがユニーク。格子から差し込む光により、アルコーブ周辺のスペースが明るくなるように工夫されています。格子の“せい”(高さ)の具合で日差しの強弱を調整することもでき、低ければ日差しは強く、髙ければ日差しは弱くなります。裸電球を天井の端に取り付けてあるので、楽しい夜の演出もできますね。 ガーデンは「ブラック×天然木」の構造物が見どころ! 真っ先に目を引くのは、庭中央を横切る大きな構造物。 いよいよ、ブラック波型鉄板の塀で囲まれた中の庭を拝見! 3mもの高さの塀の内側は、柱と横板によってスタイリッシュかつ実用的な棚に。そして庭中央は、天然木の支柱に支えられた、中空に浮かぶフェンスのような横板貼りの構造物が横切ります。この“空中フェンス”は、ガーデンデザインの主役となるだけでなく、隣家の2階からの視線カットという機能的な役割もあります。 ユニーク&スタイリッシュな植物をディスプレイ 多肉植物など、ドライガーデンを好む植物が並ぶ棚。 塀の内側に設けられた棚は、お気に入りの植物のディスプレイスペース。横板の桟を同じ高さの位置に揃えて棚を設け、余裕を持って植物鉢を並べることで、モダンで整った印象を与える、植物を組み込んだ素敵なデザインです。 シャープな細長い葉、多肉質の丸い葉など、さまざまな形状の植物が並びます。植物に合わせた鉢選びも楽しみの一つ。 棚に並ぶ鉢は、多肉植物などドライガーデン向きの植物がほとんど。水やりなどのメンテナンスが簡単で扱いやすく、何よりフォルムの面白さが魅力。細長い葉や球形のようなものなど、カッコよくユニークな形に魅了されたコアなファンも多く、人気も高まっています。こうしたサボテンやアガベ、多肉植物、セダム類(メキシコマンネングサ他)などは、乾燥に強く自然の雨水のみで育つので、メンテナンスがラクです。皆さんも、ホームセンターやガーデンセンターに出向き、育てやすい植物を研究してみるのも楽しいですよ。鉢のデザインもさまざまあり、植物に合わせてコーディネートするのも楽しいひとときです。 足下に広がる青々とした芝生も、じつはメンテナンス不要の人工芝。 タイルテラスのガーデンファニチャーもシンプルデザインに ブラックの脚に、木質の天板やひじ掛けを持つガーデンファニチャーで統一感を。 住宅横にはタイルテラスがあり、くつろぎの時間を過ごせるスペースに。テラスに置かれたガーデンファニチャーは、ガーデンのほかの部分と同様に「ブラック×木」のコンビネーションで統一しています。スタイリッシュなブラックの素材に、温かみのある木製の天板やひじ掛けを持つテーブルや椅子を選ぶことで、庭全体のトータルコーディネートを感じます。 テラスに敷かれたベージュ色の60cm角タイルは、絶妙な色ムラのある色調が、ザラザラとした質感の素材と好相性。庭や住宅など全体ともよく調和します。ザラツキのある床なら、雨降りや掃除の水でタイルが濡れても滑りにくいので、いつでも安心して利用できます。愛嬌たっぷりで可愛いペットのトイプードルも、このスペースがお気に入りの様子。 ここがポイント! シックなデザインのテクニック モノトーンで構成されたデザインには、自然素材が意外とフィット。組み合わせると、落ちついたイメージでまとまります。 今回ご紹介した住宅事例では、ブラックをベースに、支柱や桟、棚、梁などを木の素材にしています。そして、ブラックの塀はフラットな面でなく、波型にしているところが重要なポイント。フラットな壁面は単調な仕上がりになりやすく、波型にすることで変化を生んでいます。また、今回のケースとは対照的に、塀をコンクリート色やホワイトにすれば、明るいすっきりしたイメージになりますよ。 このように、カラーコーディネートはお好み次第。素材の質感でもイメージがガラリと変わります。 ご自宅で趣味を生かした庭づくりを研究して楽しんでみてはいかがでしょうか? 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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【リフォーム実例】気分も一新! ルーフバルコニーをシンプルモダンにリフォーム
ガレージ2階のルーフバルコニーをリフォーム ガレージの上が、今回ご紹介するルーフバルコニー。 今回は、神奈川県横浜市にある住宅のガーデンリフォーム実例をご紹介します。 舞台は、海辺のリゾート地にほど近い住宅街にある庭。この庭は、ガレージの2階にあるルーフバルコニーです。ルーフバルコニーとは、下の階の屋上に設けられたバルコニーのこと。リフォーム前は、細い水平ラインのフェンスで囲われたナチュラルイメージのバルコニーでした。 それでは、リフォームにより一新したルーフバルコニーをご案内しましょう。 エントランスを通ってルーフバルコニーへ 門かぶりの松の足元は玉砂利が敷かれたミニ和風ガーデン。 まずは門かぶりの松のある門扉をくぐって、玄関前へ。この松は樹齢50年ほどになり、親子2代に渡って管理しているとのこと。ちなみに「門かぶりの松」とは、門の上に水平に枝が伸びた松のことです。松は神が宿る神聖な樹木とされ、「神を祀る」の「祀る(まつる)」の語源ともいわれています。常緑で冬になっても枯れない縁起のよい樹木とされ、お正月では門松などの飾りとしても親しまれていますね。 門扉の内側から伸びる松の足元には和風のミニ庭園が設えられ、洋風なアプローチとともに和洋折衷のスタイルが楽しめます。 そして、住宅のエントランス扉の脇に、ホワイトカラーのシンプルな手すり付きの階段がありました。ここが、リフォームされたバルコニーガーデンへの入り口です。 壁面と好対照な真っ白な階段が、ルーフバルコニーへの入り口。 ナチュラルからシンプルモダンへイメージ一新! Before:リフォーム前はウッドデッキのナチュラルなガーデン。 After:柿の木の絶妙なフォルムが生きるホワイトガーデン。グレーの床に要素を絞った植物使いがモダンな印象。 ホワイトカラーの階段を上がり、門扉を開けると、目の前に広がるのは、ホワイトの塀に囲まれたシンプルなリゾート風ガーデン! 真っ白な塀に床は明るいグレーの人工芝、白を基調とするガーデンに、樹木の描く影がくっきりと落ち、モダンでアーティスティックな風景に。トラベルガイドのパンフレットに出てきそうな印象的な演出ですね。大きな柿の木は、リフォーム前からの既存樹木を切らずに生かしたものです。 リフォーム以前のナチュラルなウッドデッキの庭から、シンプルモダンなルーフバルコニーへと見事な変貌を遂げました。 パーゴラとベンチで爽やかなリゾートイメージ Before:ウッドデッキとベンチのスペースが…… After:パーゴラとベンチがあるホワイトベースの空間へ! Before:フェンス際のプランターは…… After:花壇の上にタイルを張ってシンプルなベンチに。 写真のスペースは、リフォーム以前は、ウッドデッキの床に段差を設け、腰掛けられるベンチとして利用していた場所。また、フェンス手前には植栽マスがあり、ヤシやアガベなどの植物が植えられていました。 リフォーム後には、ホワイトのパーゴラが爽やかな空間へと生まれ変わりました。床には60cm角の大きめのタイルを張り、高級感を演出。元あった植栽マスの上には周囲よりもやや濃色のタイルを張り、ベンチにリフォームしています。ベンチと床のタイル目地を揃えているところが、キレイに見えるポイントですね。 パーゴラには小さな明かりを灯す豆球を取り付けています。パーゴラと豆球が床に規則正しく落とす影までもガーデンのデザインに組み込み、一層魅力的な空間になっています。 パーゴラの豆球の影が作る模様も、リズミカルで軽やかなデザインの一部。 シンプルなアイテムでオシャレに ホワイトの板塀に浮かぶアイテムたち。 シルバー色のマリンライト。 シンプルな水栓。 愛犬のリード掛け。 注目したいのは、ホワイトベースの板塀に、いくつかのアイテムを施しているところ。塀上部には、最近は特に人気のあるマリンライト。真鍮色が一般的ですが、ここではよりクリーンなシルバーを採用しています。水洗の蛇口もレトロでシンプルなもの。もう1つは、一見取っ手のようですが、これは愛犬のリードをかけるためのフックです。ゆとりをもって板塀全体を使うデザインがオシャレ! これらのアイテムの色彩は、すべてシルバーで統一しているところがポイント。ホワイトベースのモノトーンな板塀が生きる、シンプルモダンの必殺技です。 雑草が生えにくいよう防草シートの上に人工芝を敷いて。 また、ルーフバルコニーのシンボルツリーである柿の木の足元も、淡いグレーの人工芝で、徹底的にシンプルさにこだわっています。この人工芝の下には防草シートが敷かれていて、雑草が生えにくくなっています。こんな一工夫でも庭のお手入れの手間を減らすことができますよ。 タイルテラスで気をつけること 掃き出し窓の敷居には…… 敷居と平行にグレーチングが。 ルーフバルコニーと住宅は、掃き出し窓でシームレスにつながっています。この掃き出し窓の敷居に注目。よく見ると、敷居に沿ってオシャレなグレーチング(金属製の格子蓋)がついていました。住宅基礎の上には床下換気口がついていますが、グレーチングがないとテラスの下地のコンクリートで換気口が埋まってしまいますよね。グレーチングを設置して空気の通り道をつくれば、換気口の通風ができるようになり、また室内のリビングとタイルテラスを段差なくフラットに結ぶことができます。 まとめ 最近は、住宅と共に、庭をリフォームする事例も増えてきています。今回は、経年変化で古くなったウッドデッキから、ホワイトベースのシンプルなタイルテラスに変身した実例をご紹介しました。ナチュラルなウッドで構成されたデザインから、全く印象の異なるホワイトベースのタイルテラスやウォールにすることで、生活も心機一転するきっかけになります。 このように、住まう方の年齢や趣味などでライフスタイルが変化するように、または時代の流行によっても、庭のデザインは大きく変わっていきます。 皆さんも庭にも目を向け、変化のある心地よいライフスタイルをデザインしてみてはいかがでしょうか? 気持ちも新しくなり、楽しく明るい人生が送れることでしょう! 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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【海辺の住宅実例】海と空を間近に望むラグジュアリーな別荘の内外をたっぷりご案内
トンネルを抜けると、そこには青い空と紺色の別荘 トンネルを抜けると、青空を背景に目の前に現れる紺色の別荘が、今回ご紹介する住宅。じつはその建設には、私も少しだけ関わらせていただきました。 2024年の4月初旬に携帯電話が鳴り、「三浦半島に別荘を建築するのですが、工務店の大工さんに口頭で説明してもうまく伝わらないので、大工さんに分かるように外回りや室内の絵を描いてほしい」との相談を受けました。それが、こちらの住宅。施主様は大変熱心で、住宅の外部や内部の仕上げ材から家具まで自ら調べあげて理解が深く、大変素晴らしい別荘が誕生しました。 今回は、そんなこだわりの詰まった別荘を、外観から内装までたっぷりご案内します。 紺色に白のラインがクリーンな外観 別荘の外壁は、木目調ラップサイディング。細長い板材を重ね張りしていくラップサイディングでは、壁に段差が生まれ、立体感や陰影を楽しめます。ビビッドな紺色の外壁に対し、屋根の破風(はふ)や鼻隠し(はなかくし)、サッシは真っ白で、その対比が鮮やかですね。ベースの色に対し、白いラインを入れるとシャープなイメージになり、清潔感が生まれます。今回のような紺色ベースにホワイトラインは、リゾート感の演出にぴったりです。 ちなみに破風は雨樋をつけない屋根側面を、鼻隠しは屋根の下にある垂木(たるき)の切り口を隠す部材のこと。 別荘の背景は緑に覆われ、空気が美味しく気持ちのよい環境です。 高台にある別荘。深い緑を背景に、紺色にホワイトラインが引き立つ外観です。 エントランスは赤いポストがワンポイント 緑に囲まれた爽やかなエントランス。 赤い宅配ボックス付きポストと、真っ赤なポインセチアがおしゃれ。 階段を上ると、紺色の外壁に映える白い玄関ドアがあります。その脇には観葉植物ドラセナ・コンシンネの鉢植えと、赤い宅配ボックス付きポストが。ポストの赤と色を合わせたポインセチアを添えたワンシーンも素敵ですね。 海で楽しんだ後はヘッドの大きなシャワーでさっぱりと。 エントランスの奥には外壁がくぼんだスペースがあります。エントランスからアクセスしやすいこの場所には、シャワーヘッドのついた水栓を設置。クルーザーに乗ったり、海で楽しんだ後は、建物内に入る前にシャワーを浴びることができて便利です。 住宅内へ! ささら桁階段のあるエントランスホール 側板や蹴上がなく、デザイン性の高いささら桁階段。踏板は天井と揃えて木製で。 それでは、いよいよ玄関ホールに入ってみましょう。壁には長い角を伸ばす真っ白なシカのオブジェが。そして、ホールが広く明るく見えるように、シースルーですっきりとしたささら桁階段を設置しています。階段の上部はロフト収納スペース。ヒノキの天井と、階段の踏み板の色を合わせて統一感を演出しています。 開放感あふれるリビング・ダイニング・キッチン キッチンの面材は紺色で、外壁のラップサイディングとお揃いに。 リビング・ダイニング・キッチンと、ウッドデッキの向こうの海や空が一体になる、開放感あふれる心地よい居住スペース。 階段の左手のドアを開けた向こうは、広々としたLDK(リビング・ダイニング・キッチン)スペースです。屋根の勾配に合わせて斜めになった勾配天井が、オフホワイトにまとめた壁面とともに、開放感のあるリラックスした雰囲気。キッチンは特別に要望し、外壁と同じ紺色に揃えたこだわりカラーコーディネート。壁際の長いI型とアイランドキッチンで構成されています。 天井にはプロペラファン、梁にはレール付きスポットライトを設置。 大きなプロペラファンが取り付けられた板張りの勾配天井は、見事なヒノキの梁をむき出しにして、高級感を演出。梁の下にはレール付きのスポットライトを設置していますが、その一部はじつは音響のスピーカー。スポットライトと同じ形をしているのがさりげなく、おしゃれですね。 海を望む窓の横に据えられた薪ストーブ。 石張りの壁と黒いストーブの、シックで絶妙なコントラスト。 南向きに開口部が広い折れ戸の掃き出し窓があり、部屋の隅にはシンプルでスッキリしたデザインの薪ストーブが設置されています。薪ストーブの熱を遮熱する石張りの壁には、ストーブより少し明るめの色の石を採用。微妙な石のテクスチャーが背景となり、主役の黒い薪ストーブを引き立たせています。 くつろげる最高のリゾート! ジャグジーが埋め込まれたこだわりのウッドデッキ 大きなパラソルの背景は、視界いっぱいに広がる海と空。 ウッドデッキに埋め込まれたジャグジー。 全開口の窓に切り取られた海と空の風景は、まるで刻々と変化する大きな額縁の絵のようです。窓から屋外へと結ぶウッドデッキは、室内の床と高さをフラットに揃えたことで、外周のフェンスが低く見え、海とウッドデッキの一体感が抜群! ウッドデッキにはパーゴラを設置し、さらにその下には夏の暑い日差しもしのいでくれる大きなパラソルを据えて、贅沢なくつろぎ空間が出来上がりました。 この空間のハイライトは、ウッドデッキに埋め込まれた純白のジャグジー。ジャグジーからの海の眺めも最高です。脇役のソテツが、リゾートの雰囲気を醸しながら一層景色を引き立てます。 ジャグジーの脇役は、リゾート感があり幸運を呼ぶといわれるソテツ。 ちなみに風水では、ソテツは細くとがった葉が邪気を払い、よい気を呼び入れるといわれています。また花は黄金色で、金運を呼ぶのだとか。ただしソテツには毒性があるので、赤ちゃんなどが誤って口にしないように注意しましょう。 くつろぎのリクライニングチェア。 ジャグジーの横にはリクライニングチェアが。高さが低くデッキに近いほどくつろぎや安らぎが生まれやすいため、角度を調整して身体をゆったりと伸ばせるリクライニングチェアは、ラグジュアリーなアウトドアのための最高のガーデンファニチャーです。 シンプルで移動が簡単なピザ窯。 このウッドデッキにはピザ窯も用意されており、本格的な美味しいピザが楽しめます。選んだのは、移動がラクな小ぶりの窯。取材前日にも、知人のイタリアンシェフなどの仲間が集まり、シェフが腕を振るった窯焼きの出来立てピザとワインで盛り上がったのだそう。ステキなアウトドアライフを満喫していますね! バレルサウナと水風呂のリラクゼーションスペース 人気のバレルサウナも。 サウナの後は、海を眺められる水風呂へ。 建物の裏手に向かうと、ただいま大人気のバレルサウナがあり、手前には立水栓付きの水風呂の桶がありました。ここからも海が見えるよう、水風呂の配置が工夫されていることがよく分かります。 とっておきの風景がもう1つ。施主様から「屋根に上ってみませんか?」と誘われ、ハシゴをかけて上ってみると……海が広く見え、鳥にでもなったかのような何ともいえない景色です。ストレスも解消されそうですね! 屋根に上ると真っ青な海が一層大きく見えます。 海が眺められるバスルームや機能的なトイレ 広くゆったりとしたバスルーム。 バスルームの窓からも海が。 最後に、バスルームも拝見。扉をあけると大きな鏡があり、浴槽は十和田石、浴槽の四方にはヒノキの板を張って、高級感のあるつくりです。十和田石の浴槽は、お湯を張ると水の色がグリーンに見え、温泉気分を味わえる仕掛けつき。参考までに、十和田石の浴槽は滑りにくく、しっとりした肌触りが特徴です。奇跡的に酸化されずに火山灰に閉じ込められたことで、緑色凝灰岩になったためにグリーンに見えるのだそうです。 こちらのバスルームからも、窓越しに海の眺めが楽しめます。 トイレは機能性がある壁材がポイント。 そして、トイレも拝見! 一見なんの変哲もないトイレなのですが、この壁面には、LIXILのエコカラットという壁材を使用。これは漆喰(しっくい)と同様に、ニオイ吸着効果がある壁材で、トイレに限らず、キッチンやお部屋など、あらゆるところに使用できます。この壁選び一つとっても、細やかな配慮が行き届いていることが分かりますね。 最後に… 今回ご紹介した、施主様がこだわり抜いた別荘。私自身も、建てる前からのお付き合いができたことは大変勉強になりました。大工さんも臨機応変に対応できる腕のよい職人さんで、在来工法のよさも体験できました。 取材前日に開催されたピザパーティーには、カマキリさんも参加していたようです。ナチュラルなライフスタイルは、心身ともに癒やされ、本来の人間の生き方を思い出させてくれますね。 皆さんも、ぜひ今年は自然と接する時間を作り、健康な毎日を送る余裕のあるライフスタイルを始めていきましょう! プロデュース:大朝毅施工:有限会社三和工務店 渡辺三郎
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【住宅実例】夜景シリーズVol.3 さながら高級リゾート!? バレルサウナのあるくつろぎの家を拝見!
クローズスタイルの豪華なファサード 長いアーチが目を引くモダンなファサード。 今回ご紹介するのは、千葉県印西市にある、敷地の周囲を塀で囲ったクローズ外構スタイルの住宅事例です。 こちらの住宅の顔であるファサードは、ガレージドアや塀などソリッドな構造物で構築された、リゾートホテルのような広々とした高級感あふれるつくり。変形敷地に建てられているため、門袖や塀は道路と平行ですが、住宅はその正面ではなく、右斜め後方にあるのがユニークです。 敷地全体を囲む高さ2mほどの塀は、明るい色の自然石を積んだもの。石を割ったテクスチャをそのまま生かした割肌仕上げで、広い面積であっても単調さを感じさせません。濃色の門扉の脇にある門袖は、腰までを石積みにし、黒いボーダーを挟んで上部はマットな白を組み合わせています。このデザインを反復するかのように、隣の塀はマットな白に黒い笠木のボーダーでシンプルに。門扉から離れるにしたがって淡い色へとフェードアウトするカラーコーディネートが、一層門扉まわりを強調してくれます。 そして、ともすれば漫然としがちな間口の広いファサードを、ぐっと引き締めるのがアーチの存在。焦げ茶色のアーチが、角と直線が際立つ都会的なデザインで全体をまとめ、印象的なファサードを作り出しています。 シンボルツリーの常緑ヤマボウシが植わる植栽スペース。下草には斑入りヤブランを。 植栽の地面は、斑入りヤブランと小石ですっきりとカバー。 アーチの足元には、塀と同じく割肌仕上げの天然石を積んだ植栽スペースが。シンボルツリーである常緑ヤマボウシに、下草の斑入りヤブランと自然石をさりげなく並べ、土を見せずに清潔感があるシンプルモダンな植栽が、ファサード全体の高級感にフィットしています。 ヤマボウシは、里山のような雰囲気が味わえる、日本に自生する雑木です。上品な白い花や食用にもできる実をつけ、年間を通して花、実、葉の様子を楽しむことができるため、シンボルツリーとして人気の高い樹種。よく見られる落葉性のヤマボウシのほかに、こちらの庭でも植栽されている常緑ヤマボウシがあり、常緑種は落葉種に比べて少し成長が遅く樹高も低めという特徴があります。コンパクトにまとまりやすいので個人邸の庭でも扱いやすく、また落ち葉掃除の手間もかからないというメリットから、庭木におすすめの種類です。 ゆったりとくつろげるアウトドアリビング 門扉を抜けると目に入る、周囲から一段くぼんだアルコーブになったエントランス。 開放感がありながら、ゆったりと落ち着けるアウトドアリビング。 門扉を開くと、左手に広々とした駐車場があり、右手正面には住宅のエントランスが。住宅方面へと足を進めると、ラグジュアリーなアウトドアリビングが現れます。アウトドアリビングとは、室内のリビングとつながるようにテラスを設けた、屋外のリビングのような空間です。セカンドリビングと呼んだほうが分かりやすいかもしれませんね。通常シェードや屋根を設置するため、強い日差しやちょっとした雨でも大丈夫。屋外用のソファやテーブルを置けば、ブランチやコーヒーブレイクを楽しむなど、くつろぎのひとときを過ごすことができます。 こちらの住宅のアウトドアリビングも、ゆったりとくつろげそうな屋外用のソファやベンチ、クッションに、清潔感のあるローテーブルが据えられ、家でのリラックス時間を満喫できそう。ベンチの脇にはシンプルな四角いボウルの立水栓が設置されていました。浅めの四角いボウルがシャープでおしゃれなデザインです。屋外に設置されているので、多少水がはねたりこぼれても気になりませんね。 モダンでスタイリッシュな立水栓。 気持ちのよいバレルサウナで至福のおうち時間 敷地奥へと続く、サイドヤードの飛び石の小道。 アウトドアリビングからさらに奥へと進んでみましょう。住宅の横を抜ける、ベージュの砂利敷きに飛び石を配した小道を通って、敷地の奥までたどり着くと、ビックリ! 板張りの塀でしっかりと囲まれた中に、バレルサウナがありました。勝手口からもアクセスでき、落ち着ける丁度よい広さのスペースです。 勝手口の前にバレルサウナのあるくつろぎスペース。撮影時は屋根がありませんでしたが、現在は屋根をつけてさらに落ち着けるスペースになっているそう。 バレルサウナは樽(barrel)のような円筒形の形状をしたサウナで、フィンランドが発祥といわれています。この樽は通常より強度があり、変形しにくいのが特徴で、熱を均一に保つことに優れています。ロウリュといって、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させることで、サウナ室内の湿度や体感温度を上げるのが、フィンランド式のサウナ入浴方法。発汗を促し、呼吸がしやすくなるので、ドライサウナで感じる息苦しさが軽減されます。サウナストーンに水をかけるときは、真上からゆっくりかけて少しずつ体感温度を上げるよう心がけましょう。 ちなみに、ヤードポンド法による体積を表す単位バレルの語源は、このバレルサウナと同じ「樽」。樽が液体を詰める用途で使われることに由来します。証券取引で原油の単位としても、よく聞かれますね。 ホテルアプローチのようなライティングで夜を彩る 明かりが灯ったファサードは、リゾートホテルの入り口のような贅沢さ。 夕方、周囲が暗くなってくると、アーチのフレームからもれる光のラインや、右手のシンボルツリーの常緑ヤマボウシを照らすアッパーライト、門袖のライン状のライティングなど、温かみのある色合いの光がファサードを照らし出し、一層洗練されたゴージャスな雰囲気に。ファサード回りの明色の床や門袖が、ライティングに明るく浮き出るように映えて、荘厳さまで感じます。 *ライティング商品のご紹介アーチは、タカショー・ホームヤードシステム「エバースクリーン」フレームライティングフェイス表札を照らすボーダー状のライト:タカショー・レターバーライト 遠近法を利用したデザインとライティングのポイント アーチを浮かび上がらせる、クールなスリット状のLEDライティング。 今回ご紹介した住宅事例では、変形敷地だったこともあり、ファサードの門袖や塀は道路と平行に配置されていますが、住宅は斜め方向に設置されています。この配置によって、遠近法により奥行き感が増幅され、ゆったりと豪華な雰囲気を生み出します。 門まわりのアーチはフレーム効果で間口の広さを強調するとともに、高級感のあるデザインのアクセントに。門袖の横ボーダー状の照明は、表札の文字を照らし出すだけでなく、おしゃれな夜景を演出しています。 床や塀の素材を光沢のある仕上げにすれば、ライトの反射も楽しむことができます。一方マットな素材では、灯りの映り込みはありませんが、少しつやのある仕上げにすることで、ハレーションによる幻想的な世界観を表現もできます。ただし、アプローチまわりの床材を、きれいに磨き上げた光沢のある本磨きにすると、雨天時では滑って転ぶこともあるので注意が必要。磨き具合はホームセンターやショールームに出向き、実際に自分の目で見て研究してみましょう。もちろんライティングも実際に見てみることが大切です! このような塀や建物の配置や、さまざまなライティング効果を参考にして、ステキなファサードを創造してみてはいかがでしょうか? 設計施工 株式会社Office Hanyuda ~Protect Garden~ 羽生田新悟
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2025/07/03 鹿児島県 SANPOH 株式会社山宝
2025/06/30 兵庫県 チェリーブロッサムガーデン株式会社
2025/06/30 愛知県 株式会社ルボワ
2025/06/27 熊本県 アウテリアタイガー株式会社
2025/06/27 熊本県 オレンジガーデン