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【住宅実例】夜景シリーズVol.1 夜景もステキ! ライティングが映えるエレガントな住宅事例をご案内
住宅の高級感にフィットする、重厚な石張りのエクステリアデザイン 住宅外壁とエクステリアは石張りで統一。デザインウォールと門袖(もんそで)にそれぞれテクスチャーの異なる石を用いることで、変化を持たせています。 住宅の一部を格調高い石張りで仕上げた家の外観デザインに合わせて、エクステリアもさまざまな工夫で高級感を演出。窓の目隠しとなる位置に設えられたデザインウォールは、住宅の外壁に合わせたマットな質感のシンプルな石目調タイル張りにし、統一感を演出しています。一方、エントランスの左右を対称に飾るよう据えられた門袖は、少しラフな印象の石を用いたランダムな小端積み(こばづみ)。テクスチャーを変えることで、ファサードに個性が生まれています。 小端積みとは、レンガや石などを、小口(細長い厚み部分)を見せるように重ねて積み上げること。花壇や門袖など、横方向のラインを強調したいときに使うと効果的な手法です。 デザインウォールを背景にしたドライガーデン ファサードは石の小端積みとマットな石目調タイル張りで、印象に変化をつけて。 デザインウォール部分に注目してみましょう。デザインウォールのシンプルな石目調タイル張りに対し、小端積みで構成された門袖と花壇の立ち上がりのゴツゴツとした立体感が好対照なデザインです。また、門袖はグレーを基調に暖色の色ムラが入る素材を用い、デザインウォールと花壇はワントーン明るいグレーに統一。3つの要素にそれぞれ共通項を持たせてまとまりを持たせると同時に、門袖が独立した存在感を放っています。デザインウォールの中央に設けられたは細長い窓は、デザイン性を高めるとともに、内側への風通しとしても機能しています。 アガベやニューサイランなどが育つドライガーデン。 花壇には、大株のアガベやニューサイラン、マホニア・コンフューサなどを植栽。植物の株元は細かい白い砕石を敷くことで土を隠し、美観を向上させるとともに雑草を生えにくくしています。品のある石張りの住宅とデザインウォールに似合うドライガーデンです。 ドライガーデンとは、乾燥を好む植物で統一したガーデンスタイルのこと。水はけのよい環境を整えてやれば、自然の雨水程度で育つので、頻繁な水やりの心配がありません。ドライガーデンで特に人気の高いアガベは、メキシコを中心に中央アメリカやアメリカ南部に自生する植物です。そのほか、サボテンや多肉植物なども人気の素材です。 ウォールに隠された窓前ガーデン デザインウォールの裏手に広がるすっきりした庭。 石目調タイルのデザインウォールの裏側に回ると、コンパクトな庭がありました。こちらは雑草の心配や水やりがいらない、ローメンテナンスな人工芝を取り入れたガーデンです。 門袖の後ろには黒い木箱が据えられていますが、こちらはなんと、ゴミの個別収集用ボックス。傷みにくいハードウッドを使い、マットなペイントで仕上げたハンドメイド品です。ハードウッドとは、赤道付近に分布する広葉樹の木材で、繊維が密になっているため硬くて重量があり、虫害や腐食に強く丈夫なのが特徴。シックなブラックの中に輝く蝶番や取手、止め金具のシルバーが、さりげなくエレガントさを感じさせるアイテムです。 ゴミをおしゃれに隠すハンドメイドのボックス。 メンテナンスが楽な窓前ガーデン。 窓前のローメンテナンスガーデンには、ツリバナが植栽されています。ツリバナは日本に自生している在来種で、環境になじみ手を掛けなくても育てやすい庭木です。ツリバナという名前の由来は、5月から6月の開花期に、枝から吊り下げられたように小さな花がたくさん咲くことから。9月から11月には赤い実がなり、紅葉とともに秋の風情を楽しむことができます。 秋に実る真っ赤な可愛らしいツリバナの実。 ヨーロピアンな門袖まわりと玄関アプローチ サイコロ状の形状のピンコロタイルを敷いたアプローチ。 もう一方の門袖は、ポストや表札などの機能を持たせています。この門袖の後ろは、玄関へと続くアプローチになっています。舗装のピンコロタイルはヨーロピアンな石畳風で、自然な目地が柔和な雰囲気。それをブラックの門扉で引き締め、高級感を出しています。 タイルやエレガントな飾りでヨーロピアン風の演出。 門扉をくぐり、玄関に向かうアプローチは、施主様の希望でアールヌーボー調のデコレーションが施され、まるでパリの地下鉄の出入り口のよう。舗装のピンコロタイルがよく似合います。 玄関上のアールヌーボー調デコレーション。 夜景が生きるデザインウォールとアプローチ 夜の玄関アプローチ。 デザインウォールを優しく照らすライティング。 夜景もご覧のようにとてもおしゃれな雰囲気。デザインウォールは中央に開けられた細長い窓から室内の灯りが漏れ、合わせて花壇に設えた間接照明が植物のシルエットを浮かび上がらせスタイリッシュ。玄関アプローチは電球で足元を明るく照らし、街灯に照らされたヨーロッパの街角のような雰囲気に。 ライティングは幻想的な世界を演出できる手法 ライティングは、一般には防犯を目的とすることが多いと思いますが、幻想的な夜景を演出する効果もあります。夜道の歩行者や家族が帰宅するときの安心感など、夜景のライティングは心にも作用します。 ライティングには、電球で直接照らす方法もあれば、間接照明で植栽に優しく光を当てる方法もあります。間接照明とは、照明器具の光を壁や天井などに反射させ、間接的に光を当てる方法です。光源が直接見えないので、まぶしさを抑えるとともに、照らされる壁面の素材感の陰影を際立たせたり、空間を柔らかな雰囲気にしたりするなどの演出ができます。 家主が我が家の家の外観を見るのは、夜景のことも多いので、ぜひ照明にもこだわってエクステリアデザインを考えてみてはいかがでしょうか。 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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【住宅事例】大好評シンプルモダンシリーズ第4弾 住宅とエクステリアを徹底的に解説!
直線が生きる住宅とエクステリアデザイン モノトーンで構成された玄関まわりは、徹底した直線が映えるデザイン。 今回ご紹介するのは、神奈川県藤沢市の閑静な一画にある住宅です。 すべての要素が直線で構築されたアプローチは、ミニマルでモダンな佇まい。外壁の素材は、木調とも石調ともつかないテクスチャーで構成されています。これにフィットするエクステリアが、マットな質感のシンプルなブラック門袖。門袖とは玄関の前に設置する壁のことで、玄関回りのデザイン性を高め、玄関ドアを開けたときの目隠しにもなります。 左わきのアプローチ階段の目地にも注目しましょう! 30cm角のブラックタイルに、リズミカルなホワイト目地のコントラストがオシャレですね。ポイントは、階段の段差がタイルの半分の15cmなので、半分ずつずれてきれいに割付けされていること。階段の手すりはブラックのフラットバーで、その薄さがシンプルかつスタイリッシュな印象を強調しています。 階段横の壁際に設置してあるコロンと四角いキュービックなポストは控えめなグレーで、周囲になじんで主張することなく、ブラックな門まわりに視線が集まるデザインです。 ゴールド×ブラックのシックな表札。 表札は横文字筆記体のゴールド。黒の背景に対し色のある金文字が目を引きますが、文字の大きさは小ぶりで控えめなところが絶妙なバランスです。 全体をシンプルモダンに統一し、小物もシンプルでオシャレに! 無駄のないデザインのコンクリート製サイクルスタンド。 道路際から2m程度の幅を持たせた、ホワイトの土間コンクリートのアプローチスペース。ここには、コンクリート製のスリットが入っているブロックが設置してありました。これはじつは「サイクルスタンド」。スリット部分に自転車のタイヤをはめて駐輪します。無駄のない外観で、とてもオシャレですね! こうした細かい箇所にもシンプルデザインへのこだわりを感じます。 シンプルモダンで統一された住宅。 道路から見た住宅の全景。まるで立方体のブロックのような、直線を多用したデザインがカッコよく、存在感を放ちます。敷地を縁取る土間コンクリートのホワイトのライン、また住宅のグレーとカーポート屋根のナチュラルシルバーとの対比もステキです。 奥に向かう通路の先にはタイルテラスとガーデンが サイクルポートを通って庭に向かう通路。 60cm角のタイルを張ったタイルテラス。 カーポートを通って、奥へ進んでいくと、広いテラスに到着します。テラスは、60cm角のグレーのタイル張り。シンプルながらも、タイルの色ムラやテクスチャーに、洗練されたゴージャスな雰囲気が漂います。 立水栓のグレーチング(格子蓋)には、シルバーが輝くパンチングメタルを使用。 テラスの壁際に設置された立水栓。シルバーの蛇口とブラックポールを組み合わせた引き締まったデザインで、クールな印象を与えます。立水栓の足元にある水を流すグレーチングは、パンチングメタルが使用されています。パンチングメタルとは、アルミ、鉄、ステンレスなどの金属に、金型を使って孔開け加工を施したもの。もともとは建築材料で、階段の目隠しやフェンスなどに使われて、孔の形状や大きさも大小さまざまな種類から選ぶことができます。ステンレス製であれば水にもさびにくく、実用性もばっちり。耐久性やデザインの自由度が高く、スタイリッシュな穴あきのパンチングメタルをグレーチングに使うのはアイデアですね。 平滑なタイルテラスは、ホームパーティーなどで床面が汚れても、立水栓からホースを使って水を流せば、簡単に掃除できます。日差しによる経年劣化が少ないことも利点です。 フェンスで囲まれた小さな庭の植栽と剪定のコツ 人工芝と高めの目隠しフェンスに囲まれた小さな庭。 タイルテラスの向こうは植栽スペース。周囲を囲む高さ1.8mほどの木調横板張りフェンスが、隣家からの目隠しになっています。芝生の緑が鮮やかですが、じつはここは、見栄えがよくメンテナンスが楽な人工芝を取り入れたガーデンです。 敷地のコーナー部分にはシマトネリコ、その隣にはオリーブが植栽されています。シマトネリコは常緑樹ですが、落葉樹のように小ぶりの葉を持つ、樹形がきれいな庭木。成長が早い植物なので、真夏以外ならいつでも剪定ができますが、寒さに弱いので、冬の剪定は避けたほうがよいでしょう。冬が終わった後の3月終わりから5月ぐらいの時期が最適です。 オリーブは、シンボルツリーとして最近はとても人気のある常緑樹です。樹形をきれいにするために、伸びた枝を途中で切り揃える「切り戻し剪定」をするのがおすすめです。切り戻し剪定をする際は、外向きに生えている芽のすぐ上で切るようにしましょう。こうすることで、枝が真上ではなく斜め横方向に伸び、樹形が整っていきます。メインの剪定に適した時期は2月中旬から3月です。5月から10月頃までは成長期なので、この時期の強い剪定は控えましょう。葉を減らすなどの軽い切り戻し剪定は一年中行うことができますが、切りすぎると樹形が乱れてきれいに見えなくなるので注意が必要です。 素材のテクスチャーを生かすのがシンプルモダンのカギ アプローチ階段&手すりと門袖の統一感がいい。 住宅の外壁が木調、石調などのテクスチャーを持つ場合や、モノトーンの濃淡が多い場合は、エクステリアの素材はシンプルにすることが大切です。この住宅の例のように、門袖や階段はブラック単色でスッキリと。階段のタイルのホワイト目地などでグラフィカルな変化を出すことで、センスが光る住宅デザインが生まれます。 また、敷地の床面はホワイトの土間コンクリート、アプローチに植栽されたシンボルツリーの足元にはブラックの少し大きめの砕石を敷くなど、単調さの中に変化を出す工夫も満載。土間コンクリートを分割してレイアウトしているところにも、さりげないスマートさを感じさせますね。 まとめ シンボルツリーの足元にはブラックの砕石を配置。 モノトーンを主体とするシンプルモダンな住宅で、センスのよいデザインを作るポイントは、広い面積を占める素材の選び方や割付けの具合です。シンプルモダンは単調になりがちですが、この実例のように細かな部分まで配慮して設計することで、シンプルながらも絶妙な変化に富んだデザインが構成できます。 近年人気のモノトーンのコーディネートに興味をお持ちの皆さんは、ぜひ細部にわたって自分流の素材選びや割付けにこだわったデザインを研究してみましょう!! 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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【住宅実例】大好評シンプルモダンシリーズ第3弾! モノトーンカラーの使い方で高級感を演出
モノトーンのコントラストを生かしたシンプルモダンな外観 どっしりとした印象のファサード。門扉の前の床面は、グレーの色調の違いを生かしてモノトーンながらリズミカルに。 今回ご紹介する住宅は、人気の観光地である神奈川県の江ノ島から、車で15分ほどという好立地にあります。 外壁はシンプルな四角いホワイトタイル調のサイディング。2階バルコニーの手すりには採光性が高い半透明の型ガラスとグレイッシュなアルミサッシを採用。家の外観とコーディネートし、玄関前には絶妙な色ムラのある濃いグレーの石張りの塀を設け、アプローチの床にもグレーから白色のタイルをリズミカルに敷き詰めてあります。住宅全体を見たときに、重心の低い位置に濃いグレーの塀があること、そして外壁のタイル調サイディングよりも大きな石が張られていることで、どっしりと安定した雰囲気になり、高級感も生まれます。 玄関アプローチはゆったりと 塀と門柱の間には、細長い角材を並べた通気性のよい柵を設置。 住宅の顔にあたる門まわりを詳しく見ていきましょう。 石張りの塀の奥に同色の門柱を設置することで、門扉前にスペースが生まれ、奥行きが際立ちますね。特に、塀よりも門柱を高くしているのがアクセントに。塀と門柱の隙間には、人が通れないように目立たない柵を設置し、防犯機能を持たせながらも風が抜けるようデザインされています。 門扉から玄関扉へのアプローチ。 濃色のフラットバーの手すりと花壇のレンガタイルがおしゃれ。 玄関前のエントランスポーチ脇には、黒っぽいレンガの花壇を設置し、可愛らしいフェイジョアを植栽。ポーチに設置されたフラットバーの手すりと花壇の濃色のカラーを合わせ、エントランスをすっきりとまとめています。 フェイジョアは南米原産の熱帯果樹。意外に寒さに強く、-10℃前後でも枯れないため、比較的育てやすい植物です。常緑なので、一年を通してシルバーがかった明るい葉姿が楽しめるのも魅力です。ちなみに、私もフェイジョアの実を食べた経験がありますが、別名パイナップルグァバと呼ばれるとおり、バナナとパイナップルを足して2で割ったような香りと味がします。収穫後少し時間が経つと酸っぱくなってしまいますので、収穫してすぐ食べられる自家栽培にぴったりの果樹ですね。 カーポートもモノトーンでまとめてシンプルモダンに シンプルなカーゲートとカーポート。 門柱の隣には、跳ね上げ式のカーゲートがあり、その奥は薄いアルミルーフのカーポートになっています。圧迫感を感じさせないシンプルで軽やかなルーフと、水平ラインを強調した黒いカーゲートのコントラストが素敵ですね。 ブラック×シルバーのコントラストが際立つ物置。 カーポートの支柱はブロックに組み込み、スペースを無駄なく使っています。 カーポートの奥に設置された引き違い戸の物置には、アルミのシルバーに黒い扉が引き立つカラーをチョイス。土間コンクリートのカーポートスペース全体がモノトーンになり、統一感があります。また、カーポートの黒い支柱の足元を、敷地端のブロックの立ち上がりに組み込んでいるというつくりも面白いですね。通常であれば、カーポートの幅が合わずに設置をあきらめてしまうところですが、このように組み込むことで整頓され、非常にきれいに収まっている点も見事です。 すっきりしたデザインのウリン材のウッドデッキ 芝生の庭を進むと現れるウッドデッキ。地面の高さとの差が小さいため、手すりが設置されていません。 エントランスから奥へ進むと、建物の周囲を囲むように芝生の庭が広がります。じつはこの芝生は人工芝なのですが、一見して人工芝と分からないほど自然な色合い。最近は、緑一色ではなくワラ色を混色したものなど、自然に見えるよう工夫された高品質な人工芝がたくさんあります。 建物横の芝生の庭はゆるい斜面になっていて、奥には室内と庭を結ぶウッドデッキが設置されています。庭が斜面になっている理由は、ウッドデッキと芝生の段差を低くするため。手すりのないウッドデッキは、シンプルで広々とした見た目はもとより、段差が小さいので安心して使えます。ウッドデッキには耐久性の高いウリン材を使用しているので、ローメンテナンスな点も嬉しいですね。 ウッドデッキに作られたフタを開けると洗い場が。 ウッドデッキ脇の住宅壁面には、水栓が設置されています。ここに水場があれば、植栽の水やりやウッドデッキのお掃除が簡単にできて便利ですね。そして、水栓の下に設けられた、格子状のフタに注目! このフタを開けると、なんとウッドデッキの中に洗い場が現れます。排水マスを兼ねた洗い場は、使わないときは格子のフタをしておけば、見た目もスッキリ。先ほどのカーポートの支柱同様、納まりがよく気持ちのよいデザインで、とっても素敵ですね。 横板張りの樹脂フェンス 周囲と庭を隔てるフェンスの前につくられた花壇。 芝生の庭の外周は横板張りのフェンスで囲まれ、外回りからのほどよい目隠しになっています。木製のフェンスに見えますが、これは樹脂フェンスという、高発泡ウレタンの表面にABS樹脂をコーティングしたもの。高発泡ウレタンとは、ウレタン樹脂を発泡させて作る、非常に小さな泡の中に熱伝導率の低いガスが閉じ込められたウレタンフォームのことで、断熱性や気密性に優れる素材です。この高発泡ウレタンを使った樹脂フェンスは、木板のようなイメージが演出でき、色数もブラックのほか、ブラウンの濃淡、ホワイト、グレーなど11色(2024年現在)の多彩なカラーから選ぶことができるため、近年人気上昇中です。 フェンスの足元には、黒いタイルを縁石にした花壇が。植栽が成長すれば、フェンスを優しく隠してよりナチュラルな印象になることでしょう。また、この花壇は少し斜めに傾けて設計されています。庭全体が柔らかいイメージになるよう、細かいところまで配慮が行き届いたデザインです。 道路に面した植栽。グレーの大きめの石で地面をカバーし、モノトーンカラーの住宅との統一感も抜群。 道路からこの住宅を眺めると、玄関前の塀と樹脂フェンスの境目には花壇があり、樹木の足元にハーブのローズマリーが植栽されています。細い縦格子のフェンスを背景にした植栽は、歩行者からの景観をよくするだけでなく、目隠しとしての役割も果たします。風通しや見栄えもよく、ナチュラルな外観のアクセントとして素敵ですね。 素材とカラーコーディネートのポイント:ホワイトとブラックの比率を同じにしないこと! 正面以外から見た景観も、すっきりときれいにまとまっています。 シンプルモダンの基本は、モノトーンカラーとしてホワイトとブラックのコントラストを明確にすることですが、それぞれの面積の比率を同じにしないことでバランスが取れますよ。また、こちらの住宅のように、上部を明るく、下部を暗くすることで、住宅全体を見たときに安定感が生まれ、高級感も演出できます。 サッシやフレームなどのパーツもデザインのポイント。ブラックにすると引き締まったイメージ、グレーにすると和らいだソフトなイメージになります。また細いフレームであれば、濃い色でも薄い色でも繊細なイメージになりますが、太いフレームは濃い色にすると、時に野暮ったいイメージになることもあるので、よく検討してみましょう。 まとめ シンプルモダンといっても、塀、門柱、フェンス、カーポートなど、ただモノトーンのコントラストでまとめただけでは、見栄えのよい素敵なエクステリアにはなりません。カラーコーディネートの基本は、広い面積は明るく、狭い面積は暗くすること。それに加えて、タイルや石のサイズやテクスチャーの違いも重要なポイントです。一概には言えませんが、小さいサイズは上部に、大きいサイズは下部に用い、広い面のテクスチャーは単色のベタでなく微妙に色ムラがあるほうが、高級感が出るでしょう。 素材選びの際は、カタログやネット検索の画像を見て、テクスチャーやカラーの検討をするのもよいのですが、エクステリアメーカーの展示場に出向き、実際にいろいろな素材を見て触って研究してみるのもおすすめです。いろいろな発見があり楽しくなりますよ。 シンプルモダンのエクステリアデザインに興味を持たれた読者の皆さん! ぜひ、参考にしてくださいね。 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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【住宅実例】大好評シンプルモダンシリーズ第2弾! モノトーンカラーがシャープな住宅をご紹介
住宅とエクステリアで描くモノトーンのコントラスト 家の印象を決めるエクステリアとガーデンにはさまざまなスタイルがありますが、最近人気なのが、シンプルモダンなスタイル。今回ご紹介するこちらの住宅も、シンプルモダンの好例です。 住宅のベースとなるカラーは、少しブラウンが混じったチャコールグレーと、温かみのあるベージュ。色数を抑えたモノトーンの色合わせですが、モノトーンとはいっても、ただ単純な白黒カラーではありません。モノトーンには、テレビのカラーバランスの調節のように、温かみ(ウォーム)のあるものやニュートラル(中立)、そして涼しい(クール)イメージなど、じつはバリエーションがあるのです。この住宅の色彩を構成するのは、温かみのあるブラウンと深みのある濃いグレーが混色された外壁と、白色に近い柔らかなベージュで統一された門柱やアプローチです。 また、外壁に使われている横向きに細長いボーダータイルに合わせ、ウッドフェンスも横板張りにすることで、水平ラインによる統一感も演出しています。ウッドフェンスは耐久性に優れたウリン材を使用。高密度で、塗装をしなくても腐らず長もちするため、自然な経年変化を味わうことができ、ナチュラルな風合いを楽しませてくれます。このウッドフェンスにより、エントランスドアが開いていても下方の半分は目隠しされ、エントランスの土間が見えないところもポイントです。 アプローチ階段を上るとオシャレなデザインウォールが 白色に近いベージュをベースカラーに採用したデザインウォールと門柱。 30cm角のタイルが張られたアプロ―チ階段を上がると、ブラックの馬目地タイルを囲んだデザインウォールが現れます。馬目地とはタイルやレンガの積み方の一種で、垂直方向のタイルの列を半分ずつずらしたように、互い違いに重ねる積み方のこと。周囲がホワイトに近いベージュやアイボリーの色彩の中、注意を引き付けるフォーカルポイントになっており、視線をエントランス方向に誘導する効果があります。デザインウォールのベージュは、門柱と同色。同じようにベージュの中にブラックのポストが浮かび上がる門柱との対比も素敵です。 アプローチ階段の手すりや支柱はブラックのフラットバーで、全体の印象を引き締め、シャープなイメージを作っています。 シンボルツリーはニオイシュロラン(コルディリネ)で 寒さに強いニオイシュロラン。 植栽で海に近い南国イメージを演出。 デザインウォールの隣には、エントランスへと誘うシンボルツリーのニオイシュロランが植栽されています。ニオイシュロランの足元には、えんじ色やキャラメル色のヒューケラ、ドライガーデンに似合う細長い葉の植物などが植えられ、輝くような白い玉砂利が下草の植栽を引き立てています。湘南海岸から2キロも離れていないという立地条件にふさわしい、南国イメージが伝わる植栽ですね。 ニオイシュロランは別名コルディリネ・オーストラリスとも呼ばれ、ニュージーランドを原産とする常緑樹です。南国風の印象ですが、意外と寒さに強く、雪が積もらない地域であれば地植えができます。日当たりがよい場所、または明るい日陰を好みます。ニオイシュロランはドラセナと間違われるケースもよくありますが、ドラセナはアジアやアフリカなどの熱帯地域に分布する常緑樹で、別種。50種類ほどが知られるドラセナは、観葉植物としてなじみ深く、「幸福の木」ともいわれています。 ウッドフェンスの向こう側にウッドデッキの庭が ウッドデッキでは縁側のようにくつろぐこともできる。 ウッドフェンスの奥にはウッドデッキの庭が。フェンスがある道路側はウッドデッキを広く取り、住宅に接する部分は縁側のように腰掛けて使うこともできるよう工夫されています。 地植えの庭の植栽の管理が大変な方は、このようにウッドデッキを広く取って地面のスペースを調節すると、管理がしやすくなります。また、ガーデンセンターなどで鉢植えの植物を購入し、ウッドデッキやフェンス際に置いて楽しむのも一つの方法。鉢植えは水やりが必須ですが、移動できるのが大きな長所です。気温の変化や植物が好む環境に応じて室内に取り込んだり庭に出したりすれば、寒さに弱い植物なども枯らさずに育てられます。 鉢植えの水やりのコツは、毎日少しずつではなく、一度にたっぷりと水を与え、土が乾燥するまで待って、またたっぷりと与えること。このコツを押さえれば、根腐れを防いで元気に育てることができますよ。また、株元の地面だけでなく、時々は葉にも水をかけるとよいでしょう。ハダニの対策になるだけでなく、気孔がきれいになることで蒸散しやすくなり、庭に涼しい空気が循環するようになります。興味のある方は、植物の蒸散作用で調べてみてくださいね。 まとめ シンプルモダンのカラーコーディネートのポイントは、べースカラーを決めるときに、モノトーンでもウォーム(温かみ)、ニュートラル(中立)、クール(涼し気)の、どのカラーにするのかを決めること。これらのカラーにはホワイトの色味が重要で、どのホワイトを選ぶかによって全体のイメージが変わってきます。こうして選んだカラーで全体をコーディネートして統一感を演出し、シンプルモダンのイメージに品格を出すことができますよ。 また、モノトーンのコントラスト(明暗)は、狭い面積部分には濃い色を配することで全体が引き締まります。配色に加え、窓枠や階段の手すりなどの形状にこだわることで、より品のある見栄えのよいおしゃれなデザインに。また、シャープでシンプルなデザインの住宅には、たとえ少しであっても植栽スペースを設けるようにしましょう。シンプルモダンの固さを和らげ、うるおいを感じるアプローチになります。 読者の皆さんも参考にされてはいかがでしょうか? 設計施工:ヘブンズガーデン 柿崎浩司
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