1. 特殊空間緑化の将来性
屋上庭園の創造
(スコットランド 国会議事堂)
特殊空間緑化とは、人工的に土壌基盤をつくった場所に植栽するこテラスのコンクリート上や建物の壁面、インドアガーデンにいたるまで、非常に幅広いエリアをさします。
屋上緑化においては、近年セダム類などの乾燥に強い植物をパネル状にしたものを配したり、芝生やリピアのようなグランドカバーを軽量土壌とセットしたものが主流に開発されてきています。
ヒートアイランドの軽減を第一目的にした緑化と景観空間を目的にした緑化を両方ふまえて考えていく必要があります。
鉢やプランターを使った演出をコンテナ・ガーデンといいます。広い意味では、バスケットやつり鉢、屋上やテラスの植栽マスも大きなコンテナといえるでしょう。
最近では、使われるコンテナの素材も素焼き、陶器、プラスティック、木製に加え、GRC やFRP、FRCといった耐久性に優れたものも多様化してきています。
屋上やベランダでは、重量の制限が生じるため、金網を使った工夫もよく見かけます。
また、色彩やデザインも様々です。コンテナ・ガーデンにおいては植物の選択だけでなく、
コンテナの選択も同時に検討することになりますので、事前にコンテナの商品情報を整理しておくことが必要になります。
コンテナの形や色彩、テキスタイルは全体デザインの中で植物と同様視覚的に重要です。
コンテナの色彩によって植栽する植物の良さが損なわれてしまったら、台無しになってしまうので注意しておきましょう。
コンテナを使ったガーデン演出は、都市緑化の特殊空間の緑化を考えると今後さらに増えていくことになります。
1. 植栽土壌のない場所に、植物を配置し緑化空間を創りだせる。
2. 空間のレイアウト変更が移動することにより簡易にできる。
3. 造園施工の工期が短期間ですみ、材料コストも抑えられる。
4. メンテナンスのリスクを軽減することができる。
5. 立体的なデザインが可能となるため、あらゆる場所で目的に応じた空間利用ができる。
他にも、具体的に応用をしていくことによりメリットは増えていくことになるでしょう。
コンテナ植栽のデザインは、まず点と線でとらえるとイメージしやすくなります。
同じコンテナ植栽を規則正しく並べていくと線となり、統一美や清潔感が生まれます。
また、出入口前などにシンメトリー(左右対称)に配置するのも有効的な手法といえます。
形の上でも丸型や角型のコンテナを組み合わせても面白いデザインが創出できます。
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。