植栽におけるデザインの基本手法
パターン化の植栽、街路樹の植栽もこの手法
(兵庫県西宮市 住宅エリア)
(兵庫県西宮市 住宅エリア)
1. パターン化
同じ植栽を規則性をもって植栽することにより、パターン化する。植栽エリアは一つのグループエリアとして統一性を造り、「安定性や清潔感」を感じることになる。最もシンプルな手法だが、一部が枯れたりするとその部分が非常に目立つので、剪定などの植栽管理をきっちりとしていく必要がある。
2. ムービング化
パターン化植栽の応用で、距離間隔のあるエリアで有効である。規則性をもった植栽の連続により、人間の持つ瞬間的な視覚の動きで、「目で追う」という動きをいかすことにより「動感」を生みだす。直線よりも曲線にとくに有効である。
3. バラエティ化
日本語化している意味合いからも、バラエティに富む(多くの違った種類の)植栽を混ぜていくと、「楽しさ」が増す。「華やかさ」「おもしろさ」なども感じるが、やみくもに多様すると、かえって逆効果で美しさを損ね汚く見えてしまうことがあるので注意が必要である。
4. オーバーラップ
フロントエリアの正面などでよく使われる重ね合わせ手法。奥行きのない場所で、植栽やフェンスなどをわざと重ね合わせることにより目の錯覚により、実際よりも奥行き感をひきだすことになる。植物だけでなくフェンス、トレリスなどのエクステリア材料もふくめ、さまざまな場所で有効的に使われる。
5. ハーモニー
「調和」の意味から、音楽と同じように植栽素材を調和させることによりさまざまな人の持つ感覚や気持ちを高揚することができる。バラエティ化とオーバーラップの応用で、色彩、形、大きさなどを考えながら組み合わせることにより、多くの効果を生みだす。
6. シンメトリー
欧米ではよく見かける植栽手法で、左右対称の演出手法。出入り口や建築物との対比する場所など、少ない植栽でも効果的である。コンテナなどを用いる場合も多く、都市部の特殊空間においては大いに期待のもてる手法といえる。
バラエティに富んだボーダー植栽、
エッジの曲線も調和がとれている
(英国 ブラッシンブハムナーセリー)
藤岡 成介(ふじおか せいすけ)
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。