2. 自然の石材やブリックを一緒に取り入れたロックガーデン
ロックガーデンは、その名の通りロック(岩)のガーデンを意味します。日本でも竜安寺や東福寺などの石庭が有名ですが、西洋でも岩や石(ストーン)をガーデンに活用した演出が随所に観られます。
ロックガーデンの魅力はやはり素材からくる自然感でしょう。ガーデンはきわめて人工的ですがその中にも自然の美しさの一部を再現してみると、ほっとする空間が生まれます。
また石の種類によってガーデンのイメージも変わりますし、特に英国のコッツウォルズ地方では、イエローストーンと呼ばれる少し黄色味を帯びた砂岩を使ったすてきなガーデンがたくさんあります。
ストーン(岩や石)の使い方は、大きく分けていくつかに区別できます。壁(Walls)、花壇の土留め(Hedging)、池の縁取り(Water Hedge)、ロックガーデン(RockeryGarden)、敷石(Paving)、砂利の庭(Gravel Garden)などです。
したがって、石や岩はさまざまな場所で活用されるためガーデンには欠かせない素材といえます。また年月が経った石の表面はより落ち着いた風合いに変化してくるため、ガーデンの価値を高める効果もあるといえるでしょう。
植物とも経年変化とともによりデザイン的にマッチしていきます。具体的な演出とすれば、積石の隙間に植物を挟み込むように植えたり、敷石の小径や階段のようなステップのコーナーや隙間に植物を植えたりすることは、ぜひ私たちもやってみたい技術です。
都心部に多い乾いた場所では、岩と砂利を組み合わせたドライガーデンなども素敵な空間になります。
(英国 湖水地方 駐車場のボーダー)
3. 生け垣条例制度の活用
現在日本のそれぞれの地域行政のもと生け垣や他緑化に関わる条例制度が施行されています。
地域のこのような制度を活用することは、まちづくりに貢献することにもなり積極的に勧めていきたいことといえます。
大きくポイントは
1.景観的な美化 2.防災安全性 3.セキュリティ性 4.ヒートアイランドなどの軽減です。
2. 3.は特に近年、緑化の際に意識していきたいことなので、
プランニングの時にはクライアントに説明をして目的意義を伝えておきましょう。多くのケーススタディが期待できます。
1963年兵庫県生まれ。ガーデニングによる花と緑があふれるまちづくりを提唱し指導している。園芸肥料メーカー勤務を通し本格的に植物との関わりを持つ。90年に独立。ガーデニングコンサルタント会社・環境文化センターを設立し、現在に至る。家庭菜園を始める・続けるためのベストガイド『菜園生活パーフェクトブック』の監修・著。